報告書は読んでもらうために書くもので、
読み手の立場を無視しては成り立ちません。

よって書き手のサービス精神の発露こそが、
読み手との良い関係の源泉になります。

ポイントは、報告書と言うものが、
書き手のルーティンワークの産物ではなく、
読み手への技術サービスであることを心得ることです。

書きやすい順序に書いた書き手本位の記述は、

⇒やった順に書いてしまう(何を伝えたいのか分からない)
⇒いきさつから説明してしまう(いつまでたっても結論が見えない)
⇒書き手の関心事を書いてしまう(読み手の関心事に無頓着)

ものになりがちです。

特に技術系の方は、課題解決のために何度か挫折を繰り返し、それを乗り越えています。ですから、この価値ある経験を忠実に読み手に伝えたくなるものです。

にもかかわらず、文章を書くときには、
これらの価値ある苦労は胸にしまっておき、
読み手を結論へと導くことを心がけましょう。

読みやすい順序に書かれた読み手都合の記述は、

↓ 主題を予告している(読み間違うことが無い)
↓ 目的・目標を明確にしている
  (なぜ書いたかという「目的」とゴールは何処かを示す「目標」を宣言する)
↓ 結論を明快に述べている(結論の達成度が分かる)
↓ 今後の方向を示している(「これからどうする?」に答える)

ものです。

読み手に結論と方向を分かってもらうからこそ、
読み手と書き手の間に建設的な関係が生まれます。

<チェックポイント>

1)正しい読み手に提出した          Yes / No
2)タイミング良く提出した          Yes / No
3)指示した(された)作成課題に対応している Yes / No  
4)結論が明快に伝わる(読み取れる)     Yes / No
5)問題解決の判断資料である         Yes / No
6)読み手の知識は深まった          Yes / No

時間を費やす文書作成作業を効率化しようとする
意識の芽生えは、組織全体の能率改善に貢献します。

そして、文書品質は顧客満足度に直結すると共に、
顧客の安全に大きく関わります。

顧客とのコミュニケーションは文書を通じたものが殆どです。
ですから、文書が不備であったり理解しづらいと、
開発・製造・品質・管理・営業・資金繰りに至る全ての努力が水泡に帰してしまいます。

最悪の場合は、信用を失ったり、予期せぬ紛争を発生させてしまいます。
文章作成作業は、仕事の合間にする副次的作業ではありません。

文章は、製品・サービスの付属物ではなく製品・サービース価値の大切な役割を担っているということを意識することが大切です。

参考文献:

谷崎潤一郎『文章読本』中央公論(1975)
金田一晴彦『日本語(上・下)』朝日文庫(1988)
篠田義明『コミュニケーション技術』中公新書(1986)
言語技術研究会『マニュアルはなぜわかりにくいのか』毎日新聞社(1991)
海保博之『こうすればわかりやすい表現になる』福村出版(1988)
小西一生『PL対策の全て』中経出版(1994)