内部告発した三菱重工社員、「仕事奪われ、うつ状態に」
2010年8月4日
社内の不正行為を告発したら仕事を取り上げられ、うつ状態になったなどとして、労災認定を求めていた三菱重工業社員の西村茂さん(56)について、国の労働保険審査会は労災と認める決定をした。
7月14日付の裁決書などによると、西村さんは同社神戸造船所に勤めていた2004年7月、複数の社員が虚偽の実務経験証明書を国土交通省の外郭団体に提出して監理技術者資格者証を不正取得したとして、社内のコンプライアンス委員会に通報した。
その後、所属部門の再編をきっかけに、専門分野とは異なる雑務しか与えられなくなった。05年1月から眉毛の脱毛や頭痛の症状を訴え、自律神経失調症やうつ状態との診断を受け、断続的に休職しながら治療を受けていた。
西村さんは一連の病気は業務上の理由で発病したとして、神戸西労働基準監督署に労災申請したが、認められなかった。処分を不服として兵庫労働者災害補償保険審査官に審査請求したが棄却され、労働保険審査会に再審査請求していた。
同審査会は労災を認めた理由について「高い資格を持ちながら雑務というべき補助的業務を担当させられた心理的な負荷は相当強く、会社側は改善する積極的な動きをとらなかった」とした。
西村さんは「内部告発後の会社の対応に問題があった点を認めてもらい、本当にうれしい」と話している。三菱重工業神戸造船所は「労基署から決定について説明を受けたが、会社としてコメントすることはない」としている。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201008040048.html
社内における不正発見は、不正リスク管理のポイントで重要ですが、実務上の困難をとなうものです。しかしながら、予防的な内部統制や事後的な危機管理と違い、不正リスクの低減実現はコストが低く、社内での従業員のスキルアップとして効果的な手法です。同時に、コンプライアンス遵守の企業風土を育成しながら、厳格な社内ルールにより社員が持つことが多い嫌悪感、やる気の喪失を回避できると言う意味では、このような発見的手法は企業コンプライアンスに貢献するものです。
今回のケースは、社会規範と社内規範のどちらを優先させるかの問題ですが、三菱重工の企業風土を「他山の石」として、わが社の風土を省みても良いのではないでしょうか。
感謝
2010年8月4日
社内の不正行為を告発したら仕事を取り上げられ、うつ状態になったなどとして、労災認定を求めていた三菱重工業社員の西村茂さん(56)について、国の労働保険審査会は労災と認める決定をした。
7月14日付の裁決書などによると、西村さんは同社神戸造船所に勤めていた2004年7月、複数の社員が虚偽の実務経験証明書を国土交通省の外郭団体に提出して監理技術者資格者証を不正取得したとして、社内のコンプライアンス委員会に通報した。
その後、所属部門の再編をきっかけに、専門分野とは異なる雑務しか与えられなくなった。05年1月から眉毛の脱毛や頭痛の症状を訴え、自律神経失調症やうつ状態との診断を受け、断続的に休職しながら治療を受けていた。
西村さんは一連の病気は業務上の理由で発病したとして、神戸西労働基準監督署に労災申請したが、認められなかった。処分を不服として兵庫労働者災害補償保険審査官に審査請求したが棄却され、労働保険審査会に再審査請求していた。
同審査会は労災を認めた理由について「高い資格を持ちながら雑務というべき補助的業務を担当させられた心理的な負荷は相当強く、会社側は改善する積極的な動きをとらなかった」とした。
西村さんは「内部告発後の会社の対応に問題があった点を認めてもらい、本当にうれしい」と話している。三菱重工業神戸造船所は「労基署から決定について説明を受けたが、会社としてコメントすることはない」としている。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201008040048.html
社内における不正発見は、不正リスク管理のポイントで重要ですが、実務上の困難をとなうものです。しかしながら、予防的な内部統制や事後的な危機管理と違い、不正リスクの低減実現はコストが低く、社内での従業員のスキルアップとして効果的な手法です。同時に、コンプライアンス遵守の企業風土を育成しながら、厳格な社内ルールにより社員が持つことが多い嫌悪感、やる気の喪失を回避できると言う意味では、このような発見的手法は企業コンプライアンスに貢献するものです。
今回のケースは、社会規範と社内規範のどちらを優先させるかの問題ですが、三菱重工の企業風土を「他山の石」として、わが社の風土を省みても良いのではないでしょうか。
感謝
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