生彩ある人生

蒼き淵の彼方よりあふれ出づる光の泉。内なるしじまと向き合いて 輝きは聖となり私(わたくし)と成す。

2009年01月

文書品質の改善(その2)

報告書は読んでもらうために書くもので、
読み手の立場を無視しては成り立ちません。

よって書き手のサービス精神の発露こそが、
読み手との良い関係の源泉になります。

ポイントは、報告書と言うものが、
書き手のルーティンワークの産物ではなく、
読み手への技術サービスであることを心得ることです。

書きやすい順序に書いた書き手本位の記述は、

⇒やった順に書いてしまう(何を伝えたいのか分からない)
⇒いきさつから説明してしまう(いつまでたっても結論が見えない)
⇒書き手の関心事を書いてしまう(読み手の関心事に無頓着)

ものになりがちです。

特に技術系の方は、課題解決のために何度か挫折を繰り返し、それを乗り越えています。ですから、この価値ある経験を忠実に読み手に伝えたくなるものです。

にもかかわらず、文章を書くときには、
これらの価値ある苦労は胸にしまっておき、
読み手を結論へと導くことを心がけましょう。

読みやすい順序に書かれた読み手都合の記述は、

↓ 主題を予告している(読み間違うことが無い)
↓ 目的・目標を明確にしている
  (なぜ書いたかという「目的」とゴールは何処かを示す「目標」を宣言する)
↓ 結論を明快に述べている(結論の達成度が分かる)
↓ 今後の方向を示している(「これからどうする?」に答える)

ものです。

読み手に結論と方向を分かってもらうからこそ、
読み手と書き手の間に建設的な関係が生まれます。

<チェックポイント>

1)正しい読み手に提出した          Yes / No
2)タイミング良く提出した          Yes / No
3)指示した(された)作成課題に対応している Yes / No  
4)結論が明快に伝わる(読み取れる)     Yes / No
5)問題解決の判断資料である         Yes / No
6)読み手の知識は深まった          Yes / No

時間を費やす文書作成作業を効率化しようとする
意識の芽生えは、組織全体の能率改善に貢献します。

そして、文書品質は顧客満足度に直結すると共に、
顧客の安全に大きく関わります。

顧客とのコミュニケーションは文書を通じたものが殆どです。
ですから、文書が不備であったり理解しづらいと、
開発・製造・品質・管理・営業・資金繰りに至る全ての努力が水泡に帰してしまいます。

最悪の場合は、信用を失ったり、予期せぬ紛争を発生させてしまいます。
文章作成作業は、仕事の合間にする副次的作業ではありません。

文章は、製品・サービスの付属物ではなく製品・サービース価値の大切な役割を担っているということを意識することが大切です。

参考文献:

谷崎潤一郎『文章読本』中央公論(1975)
金田一晴彦『日本語(上・下)』朝日文庫(1988)
篠田義明『コミュニケーション技術』中公新書(1986)
言語技術研究会『マニュアルはなぜわかりにくいのか』毎日新聞社(1991)
海保博之『こうすればわかりやすい表現になる』福村出版(1988)
小西一生『PL対策の全て』中経出版(1994)

文書品質の改善(その1)

文書品質には、組織の業務のあり様が映し出されます。

現場の努力は、その結果が「情報」として正しく伝えられることで初めて成果に結びつきます。

ここで多岐にわたる組織の情報活動についてみてみましょう。

【組織の情報活動】

<情報交換>
 企画書・報告書・仕様書・レター・FAX・Eメール
<対外文書>
 仕様書・ユーザーマニュアル・サービスマニュアル
 契約書・訴訟資料・広報資料
<品質保証>
 客観的評価
<環境保全>
 客観的評価

以上の情報伝達は、主に文章によって行なわれます。
よって、文章が正しく理解されることにより業務は円滑に遂行されます。

パソコンが今日のように普及しても、これは文章作成と情報交換のツールでしかなく、文章を書くのはあくまでも人です。

Eメールは、情報交換のスピードを上げることに威力を発揮しますが、同時に、効率的な作文力が求められます。送信した文章が電話で確認されなければならないとしたら、改善が必要です。

PL(製造物責任)訴訟では、製品自体の欠陥の他に、マニュアル・技術資料の不備・不足が訴訟の対象になっています。これは文章と言うものが持つ、大切さと怖さという二面性を教えてくれます。

(つづく)

指導する者のあり方

4日、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA:Information-technology Promotion Agency)理事長西垣浩司氏がニュース・リリースをした件ですが、実情が明らかになりました。

IPAはコンピュータウイルスやセキュリティに関する情報の提供やソフトウェアの開発補助などを行う日本屈指の情報処理関連組織。日本におけるIT国家戦略を技術面、人材面から支えるために設立された、独立行政法人。2004年1月5日に情報処理の促進に関する法律によって設立され、情報処理振興事業協会の業務等を承継しています。

昨年12月22日には「年末年始における注意喚起」をサイト上に掲載し、「Winny等のファイル共有ソフトを介して、自宅に持ち帰った業務データが情報漏えいする事故も多数発生しています」と注意を促していました。

今回の件は、WinnyやShareなどのファイル交換ソフトでウイルスに感染し、パソコン内の情報を流出させた典型的なケースです。33歳のIPA職員が、Winnyでウイルスに感染し、センシティブ情報をネット上にばらまいてしまいました。

今のところIPAの業務に関わる機密情報などは確認されていません。しかしながら、指導する側のIPAの職員が日常的にWinnyを利用していたことが判明し大騒ぎとなりました。

流出した情報から、この職員の妻のブログサイトが突き止められ炎上したほか、彼がこれまでダウンロードしたと思われるファイルの名前などが明らかになりました。

今回の職員が起した情報流出を受け、IPAは1月4日付け(5日更新)で「IPA職員の私物パソコンによる情報流出について」との文書をウェブサイトに公開。「当機構職員が自宅において保有する私物のパソコンでファイル交換ソフトを使用した結果、コンピュータウイルスに感染し、パソコン内の情報が流出したという事実を確認しました」「これにより、当該職員に関わる個人情報等や一部の公開画像が流出したと見られます。他方、これまでの調査では、当機構の業務関連の非公開情報は含まれておりませんが、さらに確認を行っているところ」だと報告しています。

加えて、「当機構は、情報セキュリティ対策を推進しており、ファイル交換ソフトの利用の危険性についてもかねてから注意喚起を行ってきたところです。今般このような事態が発生したことについて、陳謝申し上げるとともに、再発の防止に全力を尽くしてまいります」と、謝罪および再発防止を誓っています。

IPAにとっては、設立5年目の悪夢ですが、
わたしたちは「他山の石」としたいものです。

諸々の立場で指導する方々にとっては、
自らの行いが正しいかどうか、
確認する良き機会の提供に成りました。

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