今の情報化社会に対応することを趣旨として新しい法律(刑法)が今月から施行されるようです。「ウイルス作成罪」も盛り込まれています。4月1日に国会(衆議院)に提出されていた「情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」が6月17日に(参議院で)可決成立したことによるものです。
http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00025.html

議案審議経過情報⇒http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DAC55E.htm

以下、主な改正点です。

1)刑法に「不正指令電磁的記録に関する罪」が設置され、悪意を持って不正ソフトウェアを作成し、頒布する行為が明確な違法行為となった。
2)刑法の「わいせつ物頒布等」に電子データも含まれることになった。
3)刑事訴訟法の改正により、コンピュータを差し押さえる場合、そのコンピュータ本体ではなく、データのみを複写して差し押さえる方法が認められるようになった。これを「記録命令付差押え」と言う。(条文では「電磁的記録を保管する者その他電磁的記録を利用する権限を有する者に命じて必要な電磁的記録を記録媒体に記録させ、又は印刷させた上、当該記録媒体を差し押さえることをいう」と表現しています)

詳しくは以下を参考になさってください。
【修正点】⇒http://www.moj.go.jp/content/000073749.htm
【いわゆるサイバー刑法に関するQ&A】⇒http://www.moj.go.jp/content/000073750.htm

閑話休題(それはさておき)

香港では、銀行は特定産業ですが、個人情報保護に対する組織の意識は低いようです。

中国工商銀など4行、香港で個人情報を流用
(2011/6/26 21:27)
 香港政府は中国工商銀行や米シティバンクなど香港で営業する銀行4行が、顧客の個人情報を承諾を得ずに社外に提供していたと発表した。うち工商銀など3行は保険会社などにデータを売却、収入を得ていたという。金融は香港の主力産業だが、個人情報保護に対する意識の低さが明らかになった。
 香港のプライバシー条例違反を指摘されたのは地元資本の永亨銀行と台湾系の富邦銀行を含む4行。クレジットカード加入者の氏名や電話番号、身分証明書の番号などを社外に提供していた。政府によれば各行は顧客の許諾取得の徹底など改善措置をとったという。
 工商銀の香港法人「工銀亜洲」の場合、2009年に1万7500人分の情報を保険会社に提供。保険契約に応じて「服務費」も受け取っていた。顧客が携帯電話番号を外部に提供しないよう数度求め、同行も承諾した後に保険会社に提供された事例もあるという。
 香港では昨年7月、交通機関や買い物で幅広く使われるICカード「オクトパス(八達通)」の運営会社が06年から利用者の個人情報を転売し、4400万香港ドル(約4億6千万円)を得ていたことが発覚。トップが辞任に追い込まれた。(香港=川瀬憲司)
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C889DE1E3E3E2EAE0E1E2E0E4E2E4E0E2E3E39494E7E2E2E2;at=DGXZZO0195570008122009000000

香港の銀行・保険・通信・放送は特定産業なので、企業の買収・合弁等のM&Aに対する法的規制があります。一方、他の産業に関してはM&Aに対する法的規制をはじめ、独占禁止法や外為管理法、外国人投資家に対する参入規制もありません。対象となる企業が「資産譲渡」か「株式譲渡」、「上場会社」か「非上場会社」により会社登記署や税務局への申請、情報公開等の手続きに違いはあります。

会社設立は、香港会社法(Companies Ordinance)に基づき、「株式による有限公司(Company Limited by Shares)」、「保障による有限公司(Company Limited by Guarantee)」、「支店(Branch)」、「駐在事務所(Representative Office)」、「個人事業(Company)」、「パートナーシップ(Partnership)」の6つです。ポピュラーな有限公司の設立は、銀行口座の開設や類似商号の調査にはじまり、_饉凖亠所への申請、税務署への資本登録料の支払い、¬魄の決定及び投資ビザの申請・取得、会社法に基づく基本定款と付属定款の作成、8証人の署名・立会いの下で行われる設立者の署名、げ饉卮觸駝鬚料任、ゲ饉凖亠所への定款・法定遵守声明書・事業所所在通知の提出と申請費用の支払い、設立証明書発行並びに税務局での商業登記証取得、となります。香港での会社設立は、登記の手続が簡単で少額資本金でできます。しかしながら、日本とは法律と企業風土が違う場所での会社設立となりますので、日本と香港のバイ・カルチャーな専門家に相談なさることをおススメします。オフショア所得非課税(※)も魅力的です。

さあ、今日から7月の始まりです。

元氣を沸かして笑顔で参りましょう。

感謝

(※)香港法人が香港外(香港から見たオフショア)で獲得した所得については課税しないという税制です。香港と香港外の国の両方から二重に課税される可能性を、香港側が課税を放棄することによって排除しています。オフショア所得は、税務申請時に香港 税務局の通達に基づき、オフショア申請書の提出により承認されます。しかし、オフショア所得の源泉地がどこの国なのかをめぐり、日本を含む国々で訴訟が繰り返されてきました。法人税率は16.5%ですが、様々な減税措置により実効税率は10%前後となることが多いようです。
参考:http://www.ird.gov.hk/index.htm