この人生で出会う教師たちは、大きく2つに分かれます。正面教師と反面教師です。ブログ「小池振一郎の弁護士日誌」に「日本の刑事司法は『中世』か」と題された報告があり、この中に出てくる人権人道大使・上田秀明(2008年4月〜現在)は反面教師として大いに役割を果たされています。この人権人道大使のポストが設置されたのは、北朝鮮の人権蹂躙(拉致含む)に関する対外活動が目的でした。さらに、慰安婦問題等に関する国際的な歪曲宣伝、すなわち「人権人道」に名を借りた対日誹謗中傷に反論することも任務でした。しかしながら、もう5年以上も人権大使を務めながらこの方の対内外への発信力(存在感)はありませんでした。しかし、この度、このような経緯で、存在感を示してくれました。反面教師となっていただき、ありがたいことです。
日本の刑事司法は『中世』か
(2013年5月29日水)
 5月21日、22日の2日間、ジュネーブの国連で拷問禁止委員会の第2回日本政府報告書審査が開かれた。私は、日弁連の代表団の一員として、委員会を傍聴した。
 第1回日本政府報告書審査は2007年だった。このとき私は、周防監督の「それでもボクはやってない」(英語版)を自ら持参してジュネーブで上映し、委員の人たち何人かに見てもらい、素晴らしい勧告が出された。今回は、それから6年振りである。
 最終日の終了時間が近づいてきたころ、アフリカのモーリシャスのDomah委員(元判事)が、「(日本の刑事司法は)『中世』」とコメントした。衝撃的だった。
 それまで、各委員から、取調べに弁護人の立会がないのはなぜか、と質問され、日本政府が、取調べの妨げになるからなどと答えたり、取調べ時間が制限されていないという指摘にも、誠意をもった回答をせず…というように、日本政府が不誠実な官僚答弁に終始していたから、委員たちはいらだっていた。
 そこで、Domah委員の「弁護人に取調べの立会がない。そのような制度だと真実でないことを真実にして、公的記録に残るのではないか。弁護人の立会が(取調べに)干渉するというのは説得力がない…司法制度の透明性の問題。ここで誤った自白等が行われるのではないか。…有罪判決と無罪判決の比率が10対1(㊟100対1の間違い)になっている。自白に頼りすぎではないか。これは中世の名残である。こういった制度から離れていくべきである。日本の刑事手続を国際水準に合わせる必要がある。」と、ズバリとメスを入れたコメントになったのだと思う。
 これに対して、過敏な反応をしたのが、最後に日本政府を代表して、日本語で挨拶した上田人権人道大使だった。
 「先ほど、『中世だ』という発言があったが、日本は世界一の人権先進国だ」と開き直った。びっくりしたが、大使はあわてて、「人権先進国の一つだ」と言い直した。

 これに対する会場の、声を押し殺して苦笑する雰囲気を見て感じたのか、なんと、大使は、
 「笑うな。シャラップ!」と叫んだ。
 会場全体がびっくりして、シーンとなった。
 議長が慌てて、「時間がないところで、(いらいらさせて)申し訳ありません。」などと取り繕っていた。
 日本の傲慢さを目の当たりにした印象だ。アフリカの委員にまで言われたくない、という思いがあったのだろうか。戦前、このジュネーブの国際連盟で日本が脱退した時も、こんなだったのではないかと、思わず連想してしまった。
 外務省の人権人道大使でありながら、条約機関の意義(当該政府と委員会の建設的対話)を理解しているのだろうかと不安に思った。
 ちなみに、この「人権人道大使」というのは、10年前の第1次安倍内閣のときに設けられ、上田氏は2008年に任命されたようだ。
 本当は、この『中世』j発言と「シャラップ!」は新聞の1面トップに大きく報じられて然るべきだと思うのだが。
 5月31日に出される拷問禁止委員会の日本政府に対する 第2回勧告が注目される。http://koike-sinichiro.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-99bb.htmlより転載

誠実には敵、不実には味方が多いものです。新聞やテレビが誠実にこの事実を取り上げなかったのは、彼らの味方の利益に沿った行動であったに違いありません。東洋経済が報じた徳洲会事件を未だ新聞・テレビが報じていないのも味方の利益に関わっているからでしょう。

閑話休題(ソレハサテオキ)

昨日、横浜で開催されたアフリカ開発会議で、安倍首相は平和と安定のために1,000億円を提供したいと言いました。中国からのアフリカ諸国への投資額を意識してのことでしょうが、それは福島をはじめとする東北各地の被災者の皆さんのことや原発爆発による放射能汚染を考えた時、決して最優先事項になりはしません。優先事項は経世済民、すなわち日本の私たち民衆の生活を確たるものにすることです。1,000億円は、先ず、失業している日本の若者たちの育成と就業に使うのが筋というものです。
サハラ南部に対テロ資金=安倍首相、1千億円拠出表明−アフリカ開発会議、3日閉幕
(時事 2013/06/02-19:14)
 安倍晋三首相は2日、第5回アフリカ開発会議(TICAD5)のテーマ別会合で、サハラ砂漠南部のサヘル地域の安定化に向け、テロ対策などに充てるための資金として今後5年間で1000億円を拠出する考えを表明した。同地域の不安定な治安情勢が企業活動の障害となっていることから、治安維持に従事する人材育成などをサポートする考えだ。
 TICADは3日に総括文書「横浜宣言」と、今後5年間の具体的な支援策や成長目標を盛り込んだ「横浜行動計画」を採択して閉幕する。
 テロ対策支援の対象と想定するサヘル地域のチャドやマリなど8カ国は2011年の「アラブの春」以降、情勢が不安定で、イスラム武装勢力が活動を活発化させている。同地域の北側に位置するアルジェリアでは、今年1月、邦人10人を含む多数の外国人らが犠牲となった人質事件が発生した。
 首相は同会議のテーマ別会合「平和構築の強化」で、同事件について「大きな衝撃」と指摘した上で、「北アフリカと(サハラ砂漠より南の)サブサハラ地域の結節点であるサヘル地域の安定が北・西アフリカ全体の繁栄に不可欠だ」と述べ、地域の安定に日本が貢献する考えを強調した。 
 具体的には、1000億円の拠出に加え、テロ対策・治安維持従事者2000人の育成方針を打ち出した。また、サヘル地域で活動する邦人の安全確保につなげるため、日本と同地域との対話の枠組みを設けることも提起した。(後略)http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2013060200022より転載

 福島及び近隣での原発被曝者に背を向けて、原発再稼働と原発輸出を推し進める現首相。反面教師としての彼は、ethics(倫理)を持たない人間は無頓着になんでも出来てしまうことを教えてくれます。原発が爆発したのだから、当然、日々放射性物質が飛散し、子らは内部被曝で健康を損なっています。しかしながら、内部被曝は緩やかに生命を蝕むので、直接、目の前で病人や死人の姿で見かけることがありません。だから、これから先も大丈夫だと錯覚してしまうのです。スリーマイルやチェルノブイリが証明したように、放射能被害は5〜10年後に、ガン障害となって目の前に現れます。このままで行くと、知らず識らず望まぬ結果をリードしている私たち自身も反面教師として、次世代に貢献することになるのかもしれません。最善は、今、思いやりを持って、次世代のことを真剣に考え行動することです。正面教師として、行動したいものです。

大きな笑顔で、素直に参りましょう。 

感謝