生彩ある人生

蒼き淵の彼方よりあふれ出づる光の泉。内なるしじまと向き合いて 輝きは聖となり私(わたくし)と成す。

2015年11月

マイナンバー

 一昨日、札幌は42センチの降雪がありました。60年ぶりの大雪だそうです。
 そろそろ皆さんのご自宅へもマイナンバーが届いた頃でしょうか。当職は、一昨日手にしました。
 マイナンバーへの疑問を内閣官房政府CIO補佐官・楠正憲氏がPRESIDENT Online のインタビューで解説してくれています。秀逸な記事ですので、ここに転載させていただきます。私たちを不安と無知から解放してくれる契機となりそうです。ご一読いただけると幸いです。

(引用開始)・・・・・・
【保存版】マイナンバーはどれくらい危険なのか? 11の疑問を“中の人”が徹底解説
内閣官房政府CIO補佐官 楠正憲氏インタビュー
(2015年11月20日(金)PRESIDENT Online スペシャル 文=山崎 潤一郎)
マイナンバーの通知が始まった。「個人情報が抜かれる」「副業が勤務先にバレる」といったネガティブな記事が人気を集めているが、実際、どれくらい“危険”なものなのだろうか? マイナンバー制度の構築を担当した人物にロングインタビューを行い、さまざまな疑問をぶつけてきた。
マイナンバー楠正憲氏 マイナンバー(個人番号)の通知が始まった。「なりすましが横行する」「個人情報が芋づる式に抜かれる」「副業が勤務先にバレる」「徴税祭りがやってくる」「お上に個人の金の流れが筒抜けになる」などネガティブな情報が先行し、不安を煽る記事が衆目を集める。
 果たして本当にそうなのだろうか。政府が満を持して投入するマイナンバー制度(正式名称は「社会保障・税番号制度」)は、それほどまでに脆弱かつ、国民の財布の中身を監視する恐ろしいシステムなのだろうか。それならば、と、疑問の数々に終止符を打つべく、マイナンバー制度の構築に関わった「中の人」に会って、直接話を聞いてきた。
 今回取材したのは、内閣官房政府CIO補佐官・番号制度推進室補佐官の楠正憲氏だ。楠氏は、マイナンバーの核となる「情報提供ネットワークシステム」というインフラの技術的なレビューや調達支援全般を担当している。マイナンバーの制度とシステム、両方に精通した人物である。内閣官房政府CIO補佐官・番号制度推進室補佐官の楠正憲氏
 楠氏は、マイナンバーを理解するためのポイントとして(1)12桁の番号、(2)情報連携、(3)公的個人認証の3つを挙げる。これら3つのポイントの使い方や仕組みを理解すれば、少なくとも普通に生活している一般市民からすると「何が変わるの?」「何が心配なの?」と、不安が先行する今の風潮が、逆に不思議に思えることだろう。

疑問1:「通知カードを受け取らない」ことはマイナンバーの拒否になる?
 まず最初に、マイナンバーに関してわれわれ利用者側から見たときに、受け取るものと申請するものを整理しておこう。ここを混同している記事も多く見られるようだ。
 まず、日本国民全員ひとりひとりに12桁の番号がひとつずつ割り当てられている。それが「マイナンバー(個人番号)」だ。法人にもマイナンバーがあり、こちらは13桁の番号が割り振られている(法人番号)。この番号を国民に通知するため、国民全員宛てに10月から徐々に、市区町村から住民票の住所にマイナンバーの「通知カード」「個人番号カード交付申請書」が封筒で送られている(いずれも紙製)。「通知カード」は氏名、住所、生年月日、性別、そして12桁のマイナンバーが書かれた紙製のカードとなっている。
マイナンバー通知カード
国民全員に、封筒に入った「通知カード」「個人番号カード交付申請書」が届く。右下は申請した人だけが受け取れる「個人番号カード」。運転免許証やパスポートのように、身分証明書として利用できる。 
 「個人番号カード」は全員に送付されず、希望者のみが取得できるもので、こちらはICチップ入りのプラスチックカードだ。通知カードには「個人番号カード交付申請書」が付いてくるので、切り離して申請すれば個人番号カードが取得できる。なお、現在住基カードを持っている人は、個人番号カードを受け取ったら住基カードを返却しなくてはならない。
 少し前に「マイナンバーを拒否したい人は、マイナンバーの通知が来ても受け取らなければいい。受け取らなくても罰則はない。会社はあなたにマイナンバーを教えるように何回か催促してくるが、別に教えなくてもかまわない」という内容の記事が話題になっていた。
 しかし、通知カードの受け取りを拒否したところで、すでにその人のマイナンバーは発行されているので意味がない。また、自分が勤める会社にマイナンバーを教えなくてはならないのは、企業が、国税当局に提出する書類に、給料を支払っている従業員の個人番号や、取引先の法人番号を記入することが義務付けられるからだ。本人の同意なしに、企業が従業員の個人番号を勝手に調べることはできないので、どうしても分からない場合は空欄のままで提出することになる。このとき企業が罰則を受けることはないが、そうすることに意味があるとも思えない。
 逆に、何らかの理由で通知カードを受け取れなかった人は、住民票などを発行すれば、後からでも自分のマイナンバーを知ることができる。

疑問2:12桁の番号が漏えいしたら、個人情報がすべてバレたり、他人になりすまされたりするのか?
 さてここからは改めて、楠氏にマイナンバーの「仕組み」について聞いていこう。繰り返しになるが、マイナンバーを理解するためのポイントは(1)12桁の番号、(2)情報連携、(3)公的個人認証、の3つであると楠氏は説明する。
マイナンバーを理解する3点 よくある誤解のひとつに、「12桁のマイナンバーが、今後さまざまな局面で広範囲に利用される」というものがあるが、それは違う。当面は、「社会保障」「税」「災害対策」の3つの分野でのみ利用してよい、ということが法律で定められていて、これ以外の分野でマイナンバーを使おうという話になれば、法律の改正が必要になる。これは、利用範囲を法で規定することで無分別な利用拡大によるトラブルを未然に防ごうという考え方からだ。例えば、民間企業が顧客からマイナンバーを集めて顧客管理に利用する……といったことをしようとすれば違法行為になる。
 ただし、民間企業が従業員のマイナンバーを集めたり、銀行が投資信託、マル優、海外送金などを利用する顧客のマイナンバーを集めるのは、「税」分野に関わることなので違法ではない。これらのケースでは、社会保険庁や税務署に対し、保険や収入・利益に関する法定調書を提出しなければならず、その調書には、個々のマイナンバーの記載が義務付けられているためだ。

疑問3:海外の類似の仕組みで問題が起きているのに、同じようなことをするのか?
 なぜ利用範囲を3分野に限定したのか? これについて、楠氏は「諸外国の例を反面教師として参考にした」と明かす。
 例えば米国では、日本のマイナンバーにあたる「社会保障番号」(SSN:ソーシャルセキュリティナンバー)を悪用した、なりすましなどの犯罪が横行しているという。「(利用分野が広く何にでも使えるため)自動車保険の保険証番号などにまでSSNがそのまま使われるといった例もあり、第三者に漏れる危険性が高く、ブローカーによる売買も横行している」(楠氏)。こうした例を踏まえ、日本のマイナンバー制度では、前述のように12桁の番号が3分野の範囲を超えて使われることのないように罰則規定付きの法律で厳格に縛っているわけだ。
 
疑問4:「個人番号カード」を使ったらマイナンバーが漏えいするのでは?
 とはいえ、希望者に無償で配布される「個人番号カード」の裏面には、12桁の番号が目視できる形で記載されている。個人番号カードは身分証明書としても利用できるので、例えば店舗での会員登録などの際に身分証明書として提出したとき、個人番号カードを受け取った従業員が12桁の番号をこっそりコピーしてしまったり、あるいは、民間企業が保存する従業員のマイナンバーが、外部に漏れる……という可能性はある。こうして漏えいしたマイナンバーが、名簿ブローカーなどを通して悪意ある第三者に転売され、なりすましなどで悪用される危険性は否めないのではないだろうか?
 「マイナンバーでは、本人確認を実施する場合、『番号確認』と『身元確認』という2つの概念を規定してある」(楠氏)という。つまり、12桁の番号と写真付きの身分証明書の2つを確認して初めて本人確認が成立すると法律で定められている。企業が従業員のマイナンバーを収集する際も、通知カード(番号確認)と免許証など官公庁が発行した顔写真付きの各種身分証明書(身元確認)の確認が必須となる。
 つまり、クレジットカードの番号のように、マイナンバーの12桁の番号だけを不正に入手しても、なりすますことができない制度設計がされているわけだ。以前、「オウム逃亡犯最後の1人」と言われた高橋克也被告が、実在する人物の住民票を悪用し建設会社に勤務していたことが話題になっていたが、このようななりすましを行うことは、今後は難しくなる。逆に、表面は顔写真付きで本人確認ができ、裏面には12桁のマイナンバーが書かれた個人番号カードを紛失すると面倒なことになる。

疑問5:マイナンバーを盗まれたらどんな危険が起こる?
 そして、もう1点。「そもそもマイナンバーは、年金や税金の支払い業務に利用するためのもの。悪意ある第三者にとって、収集することのインセンティブは小さいのではないか」(楠氏)。つまり、マイナンバーを不正に集めたところで情報としての価値が薄く、ベネッセの個人情報流出事件のときのように名簿業者間で流通するといった状況は考えにくいというのだ。加えて、不正に取得しただけで個人情報保護法よりも重い、マイナンバー法の罰則が待ち受けている。悪意ある第三者からすると、ますます「盗む」インセンティブは働かない。
 実際、「悪人にとって盗んでも価値のない番号のために、なぜこんな厳しい罰則規定を設けたのか? と各所で説明を求められる」(楠氏)こともあるそうだ。ただ、番号による国民の個人情報管理については、1960年代の佐藤内閣の時代から導入を目指していたが、頓挫した過去がある。その後も、2000年代の住民基本台帳ネットワークの稼働の際、情報漏えいに対する懸念の声が多く上がった。今回のように厳格な本人確認と重い罰則の規定は、過去の経緯において示された国民の感情に応えるために必要になった措置と言えよう。

疑問6:マイナンバー制度が始まると、副業がバレる?
 2つめのポイントである「情報連携」について考えてみよう。情報連携というのは、国民の情報を自治体、年金機構、税務署といった機関がやり取りすることで、「情報提供ネットワークシステム」という、インターネットから遮断されたネットワークを介して行われる。
 「マイナンバー制度実施で、副業がバレる」という話がある。それは、2カ所以上の事業者などから一定額の収入を得ている人が確定申告を怠ったことで、副業を禁止している勤務先に住民税の額などから、副業が知られてしまうといった例を想定した話なのだろう。
 「情報提供ネットワークシステム」による関係各所による機関をまたいだ個人情報の名寄せが容易になったことで、それまで見落とされていた個人の収入がガラス張りになってしまうのでは、という懸念からくるものだと思う。だがこれについても、マイナンバーが制度の運用が始まったからといって、何かが劇的に変わるというものでもなさそうだ。
 現在でも税務署や自治体は、個人情報の名寄せを実施しており、給与や報酬の支払者が税務処理を実施していれば、関係機関は、かなりの確率で個人の収入を捕捉している。つまり、副業により一定額の収入を得ているにも関わらず確定申告を怠っているような人は、マイナンバー制度の有無に関係なく、税務署には副業を知られている可能性が高い。

疑問7:12桁の番号をそのままあちこちで使ったら、個人情報が知られて危険なのでは?
 また、日本年金機構の情報漏えい事件からの連想で、マイナンバーの漏えいを心配する人も多いだろう。情報提供ネットワークシステムに限って言えば、12桁のマイナンバーそのものが外部に漏れる可能性は低く、漏れたマイナンバーから芋づる式に個人情報が抜かれてしまう、といった心配もなさそうだ。
マイナンバー情報提供ネットワーク
 それは、情報提供ネットワークシステムの仕組みを見れば分かる。個人情報は、各行政機関がマイナンバーだけでなく「符号」と呼ばれる番号を付して管理している。他の機関が保有する個人情報が必要になった場合、情報提供ネットワークシステムに対し、マイナンバーではなく「符号」を送信することで照会を行う。つまり、12桁の番号を“素”のままではやり取りしない仕組みになっている。
各行政機関は、マイナンバーをベースに情報連携を行う。これにより、データの正確性が増したり、システムコストが削減できたりといったメリットが見込まれる。自分のマイナンバーをどこの行政機関が使ったかは、マイナポータルで確認可能
マイナンバー情報連携  「符号」は、単なる文字列であり、それ単体では個人を特定できる情報を含まない。情報の照会先の機関も同じく「符号」を使って個人情報を管理している。ただし、その符号は、照会元の機関のものとは異なる。情報提供ネットワークシステムは、双方の異なる「符号」を変換する仕組みを備えている。つまり、ネットワークの中を飛び交うのは、各行政機関で独自に付番された異なる「符号」だけであり、“素”のマイナンバーのやり取りは行われないという仕組みなのだ。
 もちろん、情報提供ネットワークシステムと、そこに接続する住民システムは、インターネットから遮断されているので、ハッカーが侵入することは極めて難しい。

疑問8:Excelのファイルにマイナンバーを保存しておいても大丈夫?
 では、マイナンバーを含めた個人情報の漏れは一切ないと言い切れるのだろうか。残念だが「ない」とは言い切れない。マイナンバーとひも付いた個人情報(特定個人情報)は、各行政機関に加え、民間企業も保有することになる。例えば、日本年金機構の情報漏えい事件のときは、インターネットから遮断されたネットワークで情報を保管していたが、日常業務を処理する際、ネットに接続した業務用のサーバーに情報を移動したことで漏れた経緯がある。これと似たケースで、マイナンバーにおいても、各行政機関の特定個人情報が漏れてしまう懸念は大いにある。一方、民間企業においても、ずさんな管理が原因で従業員の個人情報が漏れる可能性も指摘されている。
 楠氏も、特定個人情報が漏れる可能性については「ある」と認める。ただし、それを防止する手立ては導入しているそうだ。具体的には、「行政機関については個人番号を取り扱う事務が個人のプライバシー等の権利利益に与える影響についてリスク分析を行い、その結果を『特定個人情報保護委員会』に対し『特定個人情報保護評価書』として公表する義務を課している」(楠氏)という。
 そもそも、日本年金機構の場合、運用ルールを順守していれば、あのような事態は起こり得なかった。この失敗を踏まえ、マイナンバーでは、各行政機関が運用ルールを逸脱することがないように、「特定個人情報保護評価書」を提出させ、一定の縛りや緊張感を持たせることで、日本年金機構のような事態が起きにくい仕組みにしてあるのだ。各行政機関が提出する「特定個人情報保護評価書」は、「特定個人情報保護委員会」のサイトで閲覧することができる。さらに9月に議員修正を経て成立した改正マイナンバー法で(*)、個人番号を扱う行政機関に対しては、個人情報保護委員会が定期検査を行うこととなった。
*参考:http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/189/meisai/m18903189034.htm
マイナンバー改正法 民間企業における従業員の特定個人情報についても「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」に従って、適正かつ安全に管理するよう規定されている。ただ、一定規模の企業であれば、マイナンバーに対応したシステムを構築したり、ガイドラインに沿った対策を実施することができるが、中小企業の中には、ガイドラインの要求を満たせない場合もあるだろう。
 たとえば、誰でもログインできるパソコンのExcelのファイルに従業員のマイナンバーと個人情報を記録して保存しておくといった、“ゆるい”管理を行う企業もありそうだ。楠氏は「無理してマイナンバーに対応したシステムを導入する必要はないが、パソコンにアクセスできる人を制限し、ファイルにパスワードをかけるなどの管理は実施してほしい」という。また、紙の帳票についても、鍵のかかるロッカーに保管するなどの対策を行うことで漏えいの確率をかなり抑えることができるだろう」と話す。2015年9月に成立した改正マイナンバー法(冒頭部分)(右側)

疑問9:マイナンバーで「将来便利になる」ものとは何?
 政府がマイナンバーを導入するお題目のひとつに「国民の利便性の向上」がある。ただ「行政手続が簡素化され、国民の負担が軽減されます」と言われても「年に1回行なうかどうかの手続きが簡素化されても関係ないね」と考える人が多いのではないだろうか。
 実は「将来便利になる」と言われている部分の多くは、マイナンバーとは別の「公的個人認証」を利用したサービスや仕組みのことを指している。公的個人認証というのは、個人番号カードのICチップを利用して、ネットワークを介してさまざまなサービスを安全に利用できる仕組みだ。他人によるなりすましの防止や、やり取りする電子データが通信途中で改ざんされていないことを確認するための機能を持っている。
 現状、公的個人認証は住基カードでしか利用されていないため、使っている国民は少ないが、マイナンバーの運用開始と共に希望者に配布される「個人番号カード」でも利用が可能になる。ちなみに、現在、住基カードを利用している人は、有効期限が来るまで住基カードを利用することはできるが、個人番号カードを受けとったら住基カードは返却しなければならない。
 たとえば、政府は「マイナポータル」にアクセスすれば、どの行政機関が自分のどのような情報にアクセスしたのかといったログをパソコンでチェックすることができるとうたっているのだが、マイナポータルへのログインは、この個人番号カードに搭載された公的個人認証が利用されている。一部には、12桁の番号とパスワードを入力してマイナポータルにアクセスすると勘違いしている人がいるが、そうではない。
 マイナポータルへログインするには、個人番号カードをパソコンに接続したカードリーダーにかざし、あらかじめ設定しておいた4桁の暗証番号を入力する。アクセス時のログイン認証に、ICチップ内にインストールされた公的個人認証の機能が利用されているのだ。
 公的個人認証が個人番号カードに搭載されるため、個人番号カードによる「将来便利になる」各種サービスの利用時に12桁のマイナンバーが使われると勘違いしている人も多いようだが、そうではない。12桁の番号とは別物だ。

疑問10:個人番号カードは、キャッシュカードやクレジットカードとして利用できる?
 この公的個人認証は、来年の1月から民間企業を含めた各種サービスへ開放されることが決まっている。実現はまだ先の話になるが、たとえばコンビニのコピー機を利用した印鑑証明、住民票の写しなどの交付や、ネットバンキングやオンラインショップへのログイン、キャシュカードやクレジットカードとのワンカード化などが構想されている。もう一度念を押すが、これらのサービスの利用時に、12桁の番号を使うことはない。あくまでも個人番号カードに搭載された公的個人認証機能を利用するのだ。
 ちなみに、9月に財務省が案として提示して話題になった「日本型軽減税率制度」も、個人番号カードの公的個人認証機能を利用したものだ。このときも「個人番号カード=マイナンバー」という誤解があって「国民の買い物まで監視するのか!」と猛烈な批判が起きたのは記憶に新しい。これも、公的個人認証の仕組みが十分に理解されていないことが原因だと思われる。
マイナンバー カードリーダー ただ、個人番号カードによる便利なサービスが始まったとしても、普及には相当時間がかかりそうだ。パソコンから利用する場合は、パソコンに加えてICチップが読める専用のカードリーダーを準備する必要があり、現状ではe−Taxを利用しているなどの理由でカードリーダーを持っている人くらいしか恩恵にあずかれない。それについて楠氏は「スマートフォンに搭載されたICチップの読み取り機能をカードリーダーとして利用できないかと検討している」と明かす。なるほど、AndroidスマートフォンにしてもiPhoneにしても、最近の機種は、ICチップの読み取り機能が搭載されている。「技術的な課題も多く簡単ではないが、実現に向けて努力している」(楠氏)という。パソコンから公的個人認証サービスを使うには、ICチップが読めるカードリーダーが必要になる(写真はソニーのPaSoRI)

疑問11:もし個人番号カードを紛失したら、どうしたらいい?
 心配なのは、そのように便利な個人番号カードを紛失してしまうと、悪用されないかということだ。その場合は、「コールセンターに連絡してもらえば認証機能をストップすることができるので、不正に利用しようとしてもロックがかかり、使えない」(楠氏)そうだ。
 そのためにも「個人番号カードは、キャッシュカードのように普段も持ち歩いてほしい。そうすることで紛失したことがすぐに分かる」とも付け加える。
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 これまでの説明で、マイナンバー制度のセキュリティ面やその運用の実際を、理解していただけただろうか。楠氏が言うように、日本のマイナンバーは、諸外国と比較して後発なだけに、セキュリティ面にはかなり気を使って制度・技術設計がされている。また、「将来便利になる」という部分も、マイナンバーとは別の仕組みの上で運用されることが分かったと思う。
 好むと好まざるとに関わらず、そう遠くないうちに全国民のもとにマイナンバーの通知カードが届き、2016年の1月からはいよいよ運用が開始される。新しい制度をいたずらに不安がるのではなく、上手に付き合っていきたいものだ。
http://president.jp/articles/-/16711より引用
・・・・・・(引用終わり)

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

近未来では、指紋・掌形・虹彩・静脈パターン・声紋・耳形などのバイオメトリクス認証(生体認証)が活用され、持ち忘れ・置き忘れなどのリスクは限りなくゼロになるに違いありません。

面白い時代の扉が開かれようとしています。

寒さが増しています。ご自愛願います。

感謝

参照:記者の眼(2015年3月13日)

シェアリングエコノミー Airbnb

 昨日、IK氏と会席した折に、Airbnb(エアビーアンドビー:https://www.airbnb.jp/)を教えていただきました。これは観光領域から、新たな経済理念であるシェアリングエコノミーを日本に定着させるという、新たなチャレンジです。昨年、Airbnbは日本法人を設立しました。当社のサイトには以下の説明が記さています。
 
Airbnb(「エアビーアンドビー」2008年8月創業、本社・カリフォルニア州サンフランシスコ)は、世界中のユニークな宿泊施設をネットや携帯やタブレットで掲載・発見・予約できる信頼性の高いコミュニティー・マーケットプレイスです。
 アパートを1泊でも、お城を1週間でも、ヴィラを1ヶ月でも、Airbnbはあらゆる価格帯で世界190ヶ国34,000以上の都市で人と人とをつなぎ、ユニークな旅行体験を叶えます。世界一流のカスタマーサービス、成長中のユーザーコミュニティを抱えるAirbnbは、空き部屋を世界数百万人に披露し、収入に変える最も簡単な手法なのです。 法人の名称: Airbnb Ireland 法人の代表者: Brian Chesky(ブライアン・チェスキー) 連絡先: c/o 0800 100 1008 所在地: The Watermarque Building, South Lotts Road, Ringsend, Dublin 4, Ireland


以下、新しい順に3つの記事(2015年11月12日(英語);2015年8月28日(日本語);2013年12月22日(日本語))を転載します。お楽しみいただけると幸いです。
この11月12日には、パリで年次総会が開かれ、5,000名のホストが集まったそうです。
Airbnb Welcomes 5,000 Hosts to Paris for World's Largest Gathering on Home Sharing
 PARIS, Nov. 12, 2015 /PRNewswire/ -- Airbnb, the world's leading community-driven hospitality company, today opened its annual host convention in Paris, France. Attended by 5,000 Airbnb hosts representing 110 nationalities, this year's Airbnb Open is over four times the size of last year's event which took place in San Francisco, USA.
 The Airbnb Open brings together Airbnb's host community to connect and learn from each other as well as engaging with the company itself. Under the theme, 'Transform the world one guest at a time', this year's Airbnb Open will include over 100 learning sessions, with many being led by hosts, an Awards ceremony to celebrate the community and an opportunity to give back to the city of Paris through volunteering. It will also feature new product updates and presentations from Airbnb's founders.
 "It's easy to look at Airbnb and only see listings. But behind these listings are some of the most generous people on Earth - our hosts," said Brian Chesky, Airbnb's CEO. "Today, we are over one million strong and come from nearly every town and city around the world. At Airbnb Open in Paris, we will bring together hosts from over 100 countries to learn from each other, create friendships and celebrate our incredible community."
 This is the first time Airbnb Open has been held outside of the USA, with Paris representing the ideal location as the top destination in the world for home sharing on Airbnb. More people in Paris share their homes with guests from around the world than in any other city (there are 60,000 Airbnb listings in the Paris region). There are also more Parisians using Airbnb to travel than from any other city.
 With 110 nationalities represented, the Airbnb Open shows that home sharing is a truly global phenomenon. Diverse countries represented include, Costa Rica, Cuba, Ethiopia, Greenland, Madagascar, Mongolia, Senegal, Uzbekistan and even the tiny South Pacific island nation, Vanuatu. The oldest host attending is 82 years old from Rome, Italy, while the hosts that have travelled farthest have come nearly 19,000km from Queenstown, New Zealand.
 In the seven years since Airbnb was founded, over 60 million people have used the service, which now lists almost 2 million homes in 34,000 cities in over 190 countries worldwide.

About Airbnb
Founded in August of 2008 and based in San Francisco, California, Airbnb is a trusted community marketplace for people to list, discover, and book unique accommodations around the world – online or from a mobile phone. Whether an apartment for a night, a castle for a week, or a villa for a month, Airbnb connects people to unique travel experiences, at any price point, in more than 34,000 cities and over 190 countries. And with world-class customer service and a growing community of users, Airbnb is the easiest way for people to monetize their extra space and showcase it to an audience of millions.
https://www.morningstar.com/news/pr-news-wire/PRNews_20151112NY55695/airbnb-welcomes-5000-hosts-to-paris-for-worlds-largest-gathering-on-home-sharing.html
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空き部屋シェア「Airbnb」流の“おもてなし”--日本代表インタビュー
(CNET Japan 藤井涼 (編集部) 2015/08/28 13:00)
 2020年に開催される東京オリンピックがもたらす日本全国の経済波及効果は、少なくとも数兆円と言われている。過去を振り返っても、オリンピックとテクノロジの発展は密接な関係にある。世界的にスマートフォンがあたりまえに使われるようになった今、テクノロジを活用したさまざまな取り組みが、2020年をターゲットに進んでいる。果たして、生活、働き方、モノづくりなど、各産業や業界はどのようにパラダイムシフトしていくのか。
 今回のテーマは「宿泊」。観光庁によれば国内における6月の宿泊者数は約3700万人泊で、このうち訪日外国人の宿泊者数は、前年同月比で51.7%増の約530万人泊となった。東京オリンピックが開催される2020年には、訪日外国人が2000万人を超えると言われており、一部では“ホテル不足”に陥るのではと懸念する声もある。こうした背景もあり、日本でも注目が高まっているのが、米国発の空き部屋シェアサービス「Airbnb(エアビーアンドビー)」だ。
 Airbnbは、旅行者が現地の人から空き家や使っていない部屋を借りられるサービス。現在は日本を含め190カ国で展開し、世界的に急成長している。ただし、日本では宿泊料をとって人を泊めてしまうと「旅館業法」に抵触するため“グレー”な状態であり、今後の規制緩和の有無が普及に影響を与えそうだ。Airbnb日本法人代表の田邉泰之氏に、現状の国内外での利用状況や、Airbnbのもたらす価値を聞いた。

――Airbnbの利用状況を教えてください。日本の物件のオーナーには、どういった属性の人がいますか。
 現在は190カ国の3万4000都市以上で展開しており、物件数は日々伸びているのですが、現時点で150万軒を超えています。日本でも、1万3000軒以上の物件がありまして、2014年と比較して伸び率は3倍以上です。また、訪日外国人の利用者も4倍のペースで増えている状況です。
 オーナーさんは単純に性別や年齢では区切りにくいですね。20代の若い方もいれば高齢の方もいます。76歳のHarukoさんという方は、世田谷でお部屋を貸しているのですが、大人気でたくさんの方が借りに来るそうです。そのほかにも、泊まった方に地元を案内したりして“おもてなし”を楽しんでいる方や、海外の方と交流することで語学を磨いている方など、皆さんさまざまな目的をもって貸し出されています。
――貸し主と借り主には、それぞれどのようなメリットがあるのでしょう。
 ホスト側(貸し主)としては、海外へ行かなくてもインドやヨーロッパなどいろいろな国の方と交流できて、お互いの文化を知ることができます。あとは、地元に経済効果をもたらすということですね。普段来ることのない海外の方が宿泊することで、地元のカフェやレストラン、コンビニなどにもお金が落ちるというベネフィットがあります。
 ゲスト側(借り主)としては、もともと旅先で何かを見て帰ってくることが多かったと思うのですが、いま増えているのは旅先で「体験したい」という方です。そういう意味で、Airbnbでは地元の家に実際に住むことで目線が変わるというか、地元の方と同じようなニーズが発生するんですね。翌日の朝ごはんを買いに行かなきゃいけないとか。そうしてスーパーや商店街に行くことで、地元の生活を体験できる楽しみがあります。
 あとは、部屋を貸し出しているホストの方と交流できるので、地元の方しか知らないような情報を入手できます。それがまた体験につながると言いますか、自分だったら入らなかったレストランに入ったりするようになるので、体験がより楽しくなるといったメリットもあります。

――貸し主と借り主はどのタイミングでコミュニケーションするのでしょう。
 我々の物件を見ていただきますと、一軒まるまる借りるタイプと、家の中の一部屋を借りるタイプ、鍵がかかる部屋はなく共有スペースの中で生活するタイプの3つがあります。その中で、それぞれのホストが提供したい形でおもてなしをされていますね。
 部屋を借りる前や予約が成立した際の情報交換も、もちろんあるのですが、宿泊先に置き手紙をされているホストもいます。家にいらっしゃる場合もあるので、(ゲストが)家についてから直接お話することもありますね。時間があれば、一緒に家の周辺を歩いて回ったりとか、本当にいろいろなパターンがあるのがAirbnbならではの面白さです。自分にカスタマイズされた体験ができることが特徴ですね。

――訪日外国人の増加にともなう“ホテル不足”という課題の解決に、Airbnbが一役買うのではないかという見方もあります。 
 実際に調査しているわけではないので分かりませんが、もともと対象者が違うのだと思います。Airbnbに泊まりたい方は、地元を体験したいという方々ですので、単純にホテルがないからAirbnbを使いたいという方とは違う層に利用されている気がします。
 やはり、ホテルのようなサービスではありませんので、「こんなこと聞いてないよ」という話にはならないようにしなければいけないと思っています。我々としても、できるだけしっかり情報を提供して、Airbnbの体験や実際に家に泊まるとはどういうことかをご理解いただいて使っていただいています。

――湘南T-SITEとともに「本に囲まれながら泊まるドリームナイト」などの企画も実施しています。こうした施設や自治体などと連携する事例も増えているのでしょうか。
 (湘南T-SITEの企画を実施した)CCCさんとは、新しいライフスタイルを提案するというところで、考えが一致しました。実は、これまでも何回か一緒にキャンペーンをさせていただいていて、去年の夏にも“家旅”というコンセプトでオンラインキャンペーンを展開しました。我々が新たに提案させていただいた旅のスタイルを簡単にご理解いただくために、「宿泊ではなく面白い体験ですよ」というメッセージは非常に伝わりやすいのかなと思っています。
 そのほか期間限定のものもありますが、たとえば高野山の三宝院や壬生寺、石清水八幡宮などに泊まることもできます。お寺は昔から宿坊という考え方もありますので、もともといろいろな方を泊められていました。その中で、海外の方でも簡単に予約や宿泊ができるAirbnbの仕組みに共感いただきました。また、Airbnbのユーザーは地元の神様に興味を持っていらっしゃる方もいますので、そういう方に文化を知っていただけるという点にも賛同いただきました。
 グローバルでも、いろいろなところにユニークな体験ができる宿泊を提供させていただいています。ノルウェーのスキージャンプ台ですとか、ブラジルのリオデジャネイロのワールドカップで使われたスタジアムのフィールド上に泊まれるなんてものもありました。

――外国人を自宅に泊めることに抵抗がある日本人もいると思います。
 日本にはもともと民泊というものがありますし、ホームステイを受け入れている方もいますので、特別新しいことをやっているわけではありません。単純にITの技術を使って、より身近に簡単に、誰でも貸し借りできる環境を提供するサービスですので、日本では受け入れられないとは思っていません。
 もちろんすべての人に向いているわけではありませんが、潜在的なニーズは間違いなくあると思っています。ですので、こういう新しいサービスができましたよと、時間をかけてしっかり説明していく必要があるのですが、これは1社だけでは難しいところもあるので、できるだけ多くのパートナーと一緒に、この新しいライフスタイルを提案していければと思います。
 我々が貢献できるかもしれない領域としては、やはり地方創生ですね。日本は高齢化社会と言われていますが、60〜70代はまだまだ元気ですし、実は一番良いおもてなしを提供できる方々だと思っています。アクティブシニアの方々に、我々のようなプラットフォームを使っていただいて、海外から来られる方に日本の文化を伝えてもらえればいいですね。

――日本では法規制の問題もあります。また、トラブルを避けるためにAirbnbを使用禁止にしているマンションなどもあります。
 基本的には、グローバルでも似たような状況になってます。非常に昔に作られた規制が、このような新しいビジネスモデルを想定していなかったというところがありますので、我々としましても、今の時代に合った視野が広がっていくような環境になればいいなと思っています。
 各国で行政の方にアドバイスをいただきながら協議させていただいているのですが、たとえばイギリス、フランス、アムステルダム、オーストラリアの一部の州などでは、すでに規制を改正して、Airbnbのようなシェアリングエコノミーサービスを利用できる環境が整いつつありますので、日本もできるだけ早くそうなるようにお話をしているところです。
 (マンションでの使用禁止などについては)我々としてシェアリングエコノミーという考え方をできるだけ多くの方に知っていただく必要があると思っていまして、そこはまだ説明が足りないと思います。引き続きいろいろな活動を通して、Airbnb以外にもさまざまなサービスが出てくることによって、日本で受け入れられやすい体制になるところまでもっていかなければいけません。
 実はAirbnbは、マーケティングなどをせずに190カ国以上に広まったサービスですので、そういう意味では、かなり伝播力のある方々に利用していただいています。その中で、我々が非常に大切にしているのがコミュニティです。特に日本には、非常におもてなし力の高い“スーパーホスト”という方が多く、そういう方たちが自主的に集まって、「地図を作ったほうが、分かりやすくお家まで来ていただけますよ」と、おもてなしの方法を話し合う勉強会みたいなものを開いたりしています。
 これは岡山の事例なのですが、Airbnbによって海外の方がよく来るようになって周辺の方も気付き始め、Airbnbの存在を知って交流が起きるようになったという話を聞きました。おじいちゃん、おばあちゃんも含めて、自主的に“おもてなし隊”というものを作るなど、自分の街をもっと知ってもらうために多くの方が一緒になっておもてなしを始めるといった事例も生まれています。また、グローバルでいうと、全世界から6000人以上のホストがパリに集まって、各国のホスト同士が情報交換できる場なども提供しています。
 こういったコミュニティによって、昔ながらのお隣さんに醤油を貸し借りするような関係が生まれています。たとえば、いまゲストが来ているんだけど、用事があって鍵が引渡しできないといった時に、近くのホストが代わりにやってあげるという、非常に温かいコミュニティもできています。そうしたことでサービスを少しずつ丁寧に大きくしていくというのが、我々の考えですね。

――ユーザーによる良質なコミュニティによって、一部の悪質なユーザーが自然と淘汰されていく状況にしていくのですね。
 すでにそうなっています。Airbnbはサービスを開始して7年が経ちますが、現在はホストとして登録する際に、電話番号やメールアドレス、住所を記入いただき、Facebook、Google、LinkedInなどのIDと連携することで、ちゃんと実在しているのかなど、人となりを確認しています。また、パスポートも登録いただくので、かなりの情報は我々の方で預からせていただいています。
 また、ホストとゲストがお互いに評価しますので、もしゲストが騒いだり汚くして帰ってしまうと、ホストに「この人は汚して帰りますよ」と書かれてしまいます。そうすると、次にその人が予約しようとした時に、そのホストの方が過去のレビューを見てお断りするんですよ。そこでどんどん淘汰されていくので、すでにエコシステムは回っている状況です。

――将来的に、Airbnbで生計を立てる人も出てくるのでしょうか。
 グローバルでみた時に、一番多いのはカジュアルホストという方々です。Airbnbを生業にしているのではなく、時間のある時におもてなしをするという形が多いので、家のローンの足しにするとか、お孫さんにプレゼントを買うための足しにするという感じになっていくと思います。どちらかというとAirbnbによって、それぞれの地域に新しい周辺ビジネスが生まれてくると思います。たとえば、鍵を代わりに渡すサービスですとか、シーツ交換サービスですとか、ホストをサポートするようなサービスですね。
 もともとAirbnbは、創業メンバーが翌日の家賃が払えず、簡易的なウェブサイトを作って、エアマットレスを3つ貸し出したところから始まっているんです。ニューヨークでこの間お会いしたホストの方は、本当だったら家を手放さないといけなかったけれど、Airbnbでたまに貸し出すことでローンを支払うことができたとか、そういうエピソードは結構聞くので、日本でもそういった形でお小遣いが入る程度に、カジュアルに利用していただければと思います。

――東京オリンピックが開催される2020年に、Airbnbは日本でどのような役割を果たせると考えますか。
 実は2014年のリオのワールドカップの時には、Airbnbが代替宿泊の公式スポンサーとなり、約5万人のホストがワールドカップのために自宅を提供しました。大体5人に1人がAirbnbに宿泊したという実績が残せたので、オリンピックでもまた一緒に何かやりましょうという形で、ご協力させていただくことになっています。
 我々1社ではないと思いますが、シェアリングエコノミーで日本の方々がおもてなしをすることで、少しでも多くの方が日本に宿泊できるようにはしたいと思っています。先ほどのHarukoさんのように、ゲストを一緒に皇居まで連れて行ったり、美味しい和菓子屋さんでお茶を楽しんだりと、宿泊そのものを越えた、包括的な国際コミュニケーションを生きがいにされているホストの方もいます。
 私たちのやりがいやモチベーションというのは、そういったホストやゲストの方に、実際にAirbnbを使っていただいて「本当に人生が変わって楽しい」「こんな新しい体験ができると思っていなかった」と言っていただくことなんです。そういった動きがもっと日本全体に広がればいいと思っています。
Airbnb4
Airbnb日本法人代表の田邉泰之氏
http://japan.cnet.com/sp/target2020/35069525/より転載

Airbnbは、なぜ旅人に受け入れられたのか
「おもてなしのプロ」が語る新しい旅の価値
(長谷川愛: 東洋経済 記者 2013年12月22日)
 「世界192カ国でホームステイができる」――この言葉にときめいた人にとって、Airbnb(エアビーアンドビー)は夢のようなサービスに感じられるだろう。
 Airbnbは世界中に空き部屋などを持つ宿泊場所の提供者(ホスト)と宿泊場所を探している旅行者(ゲスト)をつなぐ、インターネット上のプラットフォーム。目的地の都市名を入力すると、ゲストを迎え入れたいホストの物件写真と顔写真がずらりと並び、旅への期待をかき立てられる。物件は一軒家やアパートの空き部屋が多いが、城、ツリーハウス、ボート、島など突拍子もないものを見つける楽しみもある。
 Airbnbの設立は2008年8月。ジョー・ゲビア、ネイサン・ブレーカージク、ブライアン・チェスキー現CEOの3氏がサンフランシスコで創業した。以来、利用者数の伸びは加速。現在、192カ国に55万件以上の登録物件があり、2013年にはこれまでに世界で600万泊以上(前年の倍以上)の利用があった。
 もともとマッチングのテクノロジーとデザインに強い会社として始動したが、2013年9月、ブティックホテルの開発で実績豊富なチップ・コンリー氏をグローバルホスピタリティ担当責任者に据えて、ホストによる「おもてなし」の質向上に力を入れ出した。日本での展開も加速しているが、まだ認知度は高くない。12月中旬、来日して東京都内のホスト宅に宿泊しているコンリー氏に、Airbnbのサービスと「おもてなし」について聞いた。


――Airbnbと普通のホテル宿泊との違いは。
 宿を提供するホストとの交流によって、その土地ならでは、その人ならではの体験をできるのがAirbnb。私は、今回この部屋に泊まることで、ホストにお寺を見せてもらったり、ラーメン店に連れて行ってもらったりした。こういう体験はホテルに泊まっていたらできない。
 そのため、ホストは自分の住んでいる地域をよく知ると同時に、ゲストの興味について理解していることが大切だ。私は建築物や自然が好きだが、そういうことを知っていたら、ホストはゲストの好みに合わせた場所を案内できる。
 
おもてなし基準を定めている
――Airbnbのおもてなし担当として、どういう役割を担っているのか。
 私はホストの皆さんがよりよいホストになるための手伝いをしている。そのために「おもてなし基準」を定めたり、ホストにおもてなし講義を行ったり、インターネットで学ぶeラーニング講座を提供したりしている。経験豊富なホストが経験の浅いホストに教える機会も設けている。
 私が教えるおもてなしというのは、たとえば、ゲストからの宿泊の問い合わせには迅速に、かつ親切な文面で対応する、というようなこと。事前のやり取りで、ゲストの希望を探る質問をすることも大事だ。出張でAirbnbを使っている人と、家族旅行で使う人とはニーズが異なっている。
――旅行の前のやり取りが大事だと。
 そうだ。ランチや観光に行く時間がないホストもいるし、ビジネスで来ているから干渉されたくない、というゲストもいる。ホストとゲストが相互に評価しあうレビュー制度があるので、レビューを読んでゲストとの相性を見極めるのも重要だ。「このゲストはパーティーが好きでわいわい騒ぐような人だけど、私は静かに過ごすタイプなので合わないだろう」とか、ゲスト側も「このホストはおとなしそうだから合わないな」とか。
――今回の来日の目的は。
 ひとつがホスト向けの講義。渋谷で120人のホストを対象に行う。世界の主要な17都市を回って同じような講義を行う。
 もう一つ、各都市のホストと一緒に時間を過ごしたいと思う。
――そもそも、東京でホストをしている人は、海外からの駐在員など外国人が目立つ。日本人も増やしたいのでは。
 もちろんそう思っている。地元のホストを増やしたいとっており、実際に日本人のホストの数は増え始めている。今日泊まる物件のオーナーは日本人だ。昨夜は74歳の日本人女性の物件に泊まった。
 日本には子どもが巣立って子ども部屋が空いているような年配の夫婦がいっぱいいる。空き部屋を有効活用すればおカネにもなるし、いろんな人が来れば退屈しのぎになるという人もいると思うので、そういう人にもホストになってほしい。
――欧州ではAirbnbの利用が活発だ。
 欧州はわれわれが強い市場だ。ヨーロッパ人は、そもそも”B&B (bed and breakfast)”(朝食付きの宿)にも慣れ親しんでいるし、人を家に泊めたり泊まったりすることも盛んです。それにヨーロッパ人は日本人、米国人に比べて休みが多いので、Airbnbが広がりやすい土壌はあったのでしょう。

アパートにエアマットレス
――そもそも、このサービスはどのようにして生まれたのか。
 創業者3人のうち、2人がデザイナー。彼らはアパートをシェアして住んでいたが、生活が苦しくて家賃の支払いに困っていた。サンフランシスコでデザイン見本市が開催されたときに、ホテルがどこも満室となっており、彼らはアパートにエアーマットレスを買って、ホテルにあぶれたデザイナーたちに宿泊場所を提供した。それがこの事業のスタートだ。
 創業からこれまでのAirbnbはマッチングのテクノロジーとデザイン性を軸に展開してきた。そこへもう少し「おもてなし」の要素を強化したいということで、私に声がかかった。私はジョワ・ド・ヴィーヴルというホテル開発会社の創業者で、その経験を生かせる。
――ジョワ・ド・ヴィーヴルの経験をどう生かせるか。
 ジョワ・ド・ヴィーヴルは私が26歳の時に始めた会社。いわゆるブティックホテルといわれるホテルを開発・経営していた。建物自体も部屋数も小さなホテルだ。デザイナーが手掛ける個性がある内装やデザインで、1軒1軒同じものはないというようなものを作った。おもてなしの世界においては、私は従来のホテルが提供しないような体験を提供する破壊的な革新者だった。
 Airbnbも現代における破壊的な革新者。ブティックホテルでの経験を生かせる。従来のホテルでは決して提供できないものを、ゲストに提供しようとしているところだ。

ゲストとホストの両方から手数料収入
――Airbnbの収入は。
 ホストから予約料の3%、ゲストから予約料に応じて6〜12%を手数料として受けとっている。このビジネスモデルが非常に成功しているので、有名投資家が惚れ込んで投資してくれる。
 たとえば米フェイスブックの最初の社外投資家のピーター・ティール氏や、米ネットスケープコミュニケーションズの創業者でベンチャーキャピタルも持っているマーク・アンドリーセン氏、米リンクトインを始めたリード・ホフマン氏などが投資をしている。米国の俳優、アシュトン・カッチャー氏も株主の1人だ。
――ホスト、ゲスト間でのトラブルも起こるのでは。
 まずホストはリクエストがあったら誰でも泊めなければいけないわけではなく、ゲストを受け入れるかどうか決めることができる。受け入れる基準をあらかじめ作っておくことも可能だ。フェイスブックの「友達の友達」までに限定するとか。詐欺などがないように、ホストはゲストのパスポートや運転免許証などの身分証明書を確認できる。
 先ほども触れたレビュー制度も有効だ。ゲストとして泊まろうとしている人が過去にその人を泊めた別のホストから信用されているかどうかを、ゲストを迎え入れる前に自分で確認することができる。
 ホスト向けの損害補償プログラムもある。たとえば赤ワインを絨毯にこぼしてクリーニングに出しても落ちないというようなとき、絨毯の写真をAirbnbに送れば補償する。最高100万ドルまで損害を補償するので、その点は安心してほしい。
――今後日本ではどのように展開していくか。
 裾野を広げていくという意味では、ホスト向け講義に来てくれた人が「もっと積極的にやろう」と思ってくれたり、ホストが連れてきた友達や家族が「自分もやりたい」と思ってくれたらいい。
 あとは日本の皆さんがどこか外国に行くときに、ゲストとしてAirbnbを使ってみて、そこから「私もホストをやってみよう」と思ってくれたらうれしい。まずはゲストとして使ってほしい。それがきっかけでホストを始める人は多いので。
Airbnb
ブティックホテルの開発で実績豊富なチップ・コンリー氏。2013年9月、Airbnbのグローバルホスピタリティ担当責任者に就任した。
http://toyokeizai.net/articles/-/27075より引用


新しい世界を啓くのは、私たち民衆の知恵と力なのですね。
シェアリングエコノミーに経世済民のサウンドを覚えます。
生彩ある人生を手にする、必要条件の一つとして活用したい気持ちになりました。


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