ドラッカー教授(Peter Ferdinand Drucker:1909年11月19日〜2005年11月11日)は、企業の目的は顧客創造であり、その目的を達成するための機能としてマーケティングとイノベーションがあると言いました。この「顧客創造」の原文は”create a customer”です。言葉を大切にする彼は、敢えて”create customers”を使いませんでした。「一人の顧客を創造する」のが企業の目的だと言うのです。これは、ドラッカー教授の「人間を中心にして見る」というモットーが”create a customer”という言葉で現れたのだと思います。市場をmarketとして見るのではなく、市場の構成員である一人ひとりのa customer(人)としてを見よ、というのです。市場をマーケットとして分析していたのでは、新しい商品やサービスの開発は叶いません。

現代日本の優良企業とされるニトリは、ローコスト・オペレーションが成功の要因だと見られがちですが、安さのみで勝負を挑んでいるのではありません。日本のa customerが潜在意識としてイメージしてきた欧米並みの住まいの豊かさを提供する、というゴールがあるのです。ここが成功の主たる要因だと思います。加えて、家具は購買頻度が低いことを前提に、購買頻度の高いホームファッション商品も取り揃えたのでした。

ドラッカー教授は、マネジメントとは企業の方向付けを行い、ミッションを決め、その上で目標を定めて「資源を動員し」、成果に責任を持つことだとしました。企業のStrategic Apex(戦略トップ)が利益最大化にのみフォーカスしたり、「顧客創造」のために経営資源を総動員できない時には、企業は淘汰される運命をたどるのです。

ニューヨークで暮らしていた1987年から1997年の間には、TOYS“Я”USに遊びに行ったものでした。数々の楽しい想い出が心に残っています。ありがとうございます。それが、いつのまにかロゴがToys“R”Usになっていて、今は破産検討かと言われる経営状態の様子。残念です。
米トイザラス破産検討か
(共同 2017/9/7 06:17)
安売り、ネットに苦戦
【ニューヨーク共同】米CNBCテレビは6日、米玩具大手トイザラスが破産手続きも選択肢の一つとして経営再建策を検討していると報じた。約4億ドル(約440億円)の債務が2018年までに返済期限を迎えるため、再建を支援する法律事務所と契約した。
 米小売り大手ウォルマート・ストアーズの安売り攻勢や、米インターネット通販大手アマゾン・コムとの競争激化で経営環境が厳しくなっている。
 これまでは投資ファンドの支援を受けて資金繰りをこなしていたが、小売店の倒産増加で、借り換えが難しくなっているという。


米トイザらス、本社で15%のレイオフ実施 「経験重視」戦略展開へ
(Forbs 2017/02/21 15:00)
トイザらス
 米玩具大手トイザらス(TRU)は長年、子どもたちを喜ばせるための最も信頼できるブランドの一つとして、その地位を維持してきた。だが、その足元はぐらついている。
 TRUは2月17日、ニュージャージー州ウェインにある本社従業員の15%近くをレイオフ(一時解雇)したことを明らかにした。約250人の雇用が失われたことになる。
 同社幹部はこれについて、「…費用抑制だけが目的ではない。わが社の成長計画のためには、事業を変革し、財務における目標を達成するための適切な体制と人材、決意が必要だった」と述べている。同社の経営不振は、もう何年も前から続いている。
 それには複数の要因がある。消費者が主にオンラインで買い物をするようになる中、その他の小売業者と同様、同社も新たな経営方針を固めることができずにきた。玩具チェーンの販売にとっては消費者がショッピングモールに足を運んでくれることが不可欠だが、モールへの客足は減少している。
 さらに、ウォルマートやターゲットのような知識の豊富なライバル企業との競争もある。各社は玩具の売り場面積や、休暇シーズンに合わせて季節ごとに提供する商品を3倍に増やしており、消費者は買い物に行きたい店の候補リストから、TRUを除外するようになっている。
 一方、主要な競合他社から売り上げを奪うアマゾンの存在もある。特にその打撃を受けているのが、従来から商品の在庫管理に問題を抱えるTRUだ。同社は2015年、店頭での在庫切れが問題化。在庫管理のための新たなアルゴリズムを導入したが、休暇シーズンの需要を低く見積もるなど、E−フルフィルメントに関する問題が残された。フォーチュン500企業の最高経営者(CEO)の任期は平均9.4年だが、同社はここ十数年で、少なくとも4人がCEOに就任している。

変化と生き残りのために─
 TRUのデービッド・ブランドン現CEOは、こうした問題を抱える中でも業績改善は可能だと考えている。主要な戦略の一つに掲げているのが、店舗を「楽しい場所」にすることだ。
 ブルームバーグの報道によると、誕生日パーティーなどのイベントの開催を請け負ったり、親子で楽しめる遊び場を提供したりするなど、ブランドンは店舗を「経験ができる」場所にしたい意向だという。
 そのほか、店舗の新設にも積極的だ。投資に回せる資金が限られている企業の戦略としては理屈に合わないとも思えるが、小規模店舗をニューヨークなどの都市部に複数開設することで、TRUを利用できる消費者が増え、同社の存在感を増すことができるとの考えだ。それらが来店者と売上高の増加につながると見込んでいる。一方、オンラインでの存在感を高めることの重要性も認めており、その実現も目指している。 編集 = 木内涼子