5c256178[1]  淡々とした流れに心地よく眠氣を誘われた秀作『西の魔女が死んだ(The Witch of the West Is Dead)』(2007年・日本)のおばあちゃん役を好演した女優は、サチコ・パーカーさん(Stephanie Sachiko Parker:1956年9月生)。「サチコ」という名前は、小森和子さん(1909年11月〜2005年1月)によって "blessed child" を意味する「幸子」にちなんでつけられたそうです。彼女は6歳から12歳までを東京に住んでいた父親の元で暮らし、学習院初等科に通いました。彼女の母は女優シャーリー・マクレーンさん(1934年4月生)で、前生を70歳代の一休宗純和尚(1394年2月〜1481年12月)の伴侶であったと言った方です。
  マクレーンさんの前世話などが書かれた『アウト・オン・ア・リム』『ダンシング・イン・ザ・ライト』は世界的によく売れました。しかし、これらの前世話は後年チャネラーの創作であったことが暴露され、彼女自身もそれを認め謝罪します。

  自分の過去世(past-life memories )に興味を持つ気持ちは良く分かります。他者に聴くのではなく、自分自身で感じることができたら最高!です。今の自分の中身・あり方こそが、これまでの過去世の蓄積成果(past-life complex)ではありませんか。


閑話休題(それはさておき)


  『前世を記憶する子どもたち』など、「人間の生まれ変わり現象」の実証的研究者といえば、ヴァージニア大学医学校知覚研究室のイアン・スティーヴンソン博士(Ian Stevenson:1918年10月〜2007年2月)がいらっしゃいます。彼の代表作『前世を記憶する子どもたち』(邦訳1990)は、世界的ロングセラーです。他に『前世を記憶する子どもたち2』(日本教文社)、『前世の言葉を話す人々』『生まれ変わりの刻印』(春秋社)などがあります。

  スティーヴンソン博士の慧眼は、個性(individuality)と人格(personality)を区別し(注※)、特定の人格(personality)がそのまま再生するのではないと見抜いた点です。『前世を記憶する子どもたち』より引用します。
私(スティーヴンソン)は、一つの人格(personality)がそっくりそのまま生まれ変わり得るという言い方は避けてきた。そのような形での生まれ変わりが起こり得ることを示唆する証拠は存在しないからである。実際に生まれ変わるかもしれないのは、直前の人格および、それ以前に繰り返された過去世の人格に由来する『個性』(individuality)なのである。

  「前世の何が再生するのか」の解は、特定の人格(personality)が再生するのではなく、個性(individuality)が再生するとなります。

  博士の研究は、発明家のチェスター・カールソン氏がパトロンとして支え、子らが語る前世の記憶の真偽を客観的・実証的に研究する The Division of Perceptual Studies(DOPS)がヴァージニア大学医学部に創設されています。彼は『前世を記憶する子どもたち2−ヨーロッパの事例から』を書き上げた後、合衆国での転生事例についての本を準備中でしたが、『前世を記憶する子どもたち3』を書き上げることなく他界。『転生した子どもたち』(日本教文社)の著者ジム・B・タッカー(Jim B. Tucker)博士が彼の研究を継承・発展しています。
(つづく)

生彩ある人生@下段の注意20200103