宮内庁は以前から「陵墓は観光する場ではない」との立場に立っています。これは産土(うぶすな)たる陵墓には過去の情報(エネルギー)が封印されており、この地を無防備に訪れた人が地(知)のエネルギーをキャッチしてしまい、仕事や家事、家業など生活に支障をきたすようになる虞(おそれ)があることを危惧しているのかもしれません。地が、いかに恐ろしいものであるかを知っているようです。ですから、陵墓を観光地として認めないのは、不幸の原因を招来せしめたくはないということではありませんか。
さあ、昨日につづき、日経の連載記事「仁徳陵の謎を探る」を転載させていただきます。
今回で最終。お楽しみいただけると幸いです。
宮内庁、地元と連携模索 仁徳陵の謎を探る(4)
(日経 2016/6/24 6:00)
  大山(だいせん)古墳(堺市)を仁徳天皇陵として管理している宮内庁は今秋にも、補修工事の準備のため周濠(しゅうごう)の水面下を音波探査機で測量する。堺市などが作成した航空レーザー測量図と組み合わせる計画で、墳丘規模などが明らかになると期待が高まっている。
  宮内庁が管理する陵墓・陵墓参考地は全国に約900ある。国史跡などには未指定で、古墳といえども法制度上は「文化財」ではないが、同庁は補修に伴って発掘した際は現場を研究者や報道陣に公開し、成果も発表している。
仁徳天皇陵5  2008年からは堺市にある陵墓参考地、御廟山(ごびょうやま)古墳やニサンザイ古墳などで地元自治体と調査区の位置などをすり合わせて発掘している。「こうした調査方法を広げると共に環境調査や景観整備、防災など従来手薄だった分野で地元との連携を深めたい」と徳田誠志・陵墓調査官は話す。
  百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録を目指す動きや観光立国を目指す政府の姿勢も、こうした流れを後押しする。宮内庁はかねて「陵墓は観光する場ではない」との立場だが、見学ポイント整備などで地元連携を進めるという。徳田陵墓調査官は「地元の協力あっての陵墓保全。関心を高めることは重要」と話す。
  「陵墓では今も皇室の祭祀(さいし)が執り行われており、静安と尊厳の保持が最優先」。一般の立ち入りを原則認めない理由を宮内庁はそう説明する。ただ今後、大山古墳など超巨大古墳の補修が本格化すると、同庁の人手が不足して外部の応援が必要になる、ともいわれる。皇室のあり方を巡る議論とも絡み、陵墓管理については多様な意見があるだけに、歴史遺産を未来へ引き継ぐべく丁寧な議論を重ねる必要がある。(この項おわり)

生彩ある人生@下段の注意20200103