白鬚神社@湖中大鳥居



「藤原さんへの公開メール」と題されたフリーランス・ジャーナリストーの藤原肇博士(1938年生)と会計士の山根治氏(1942年生)の対話記事を通じて、私たち読者は intelligence のエッセンスを知ることができます。山根治ブログ 2021年07月05日号http://yamaneosamu.blog.jp/archives/9317764.html)から転載させていただきます。
人生は短く、人為は長く、機会は逃げやすく、実験は危険を伴い、論証はむずかしい。医師は正しと思うことをなすだけでなく、患者や看護人や外的状況に助けられることが必要である」と例えられるアフォリズムがお二人の交流から伝わります。
コメント・メール(9)です。

山根治さま

コメントメール(5)において、「背乗り」について論じましたが、これが九州や中国地方に顕著なのは、大陸や半島に近いので、異民族の混交に関わる、習俗と結びつくのだと思います。「狐持ち」は民俗学的な側面で、「背乗り」は構造人類学的だが、出雲には古代精神と結ぶ、習俗発想が濃厚なため、構造分析をするよりも、柳田民俗学に属すものが、根強く定着しているのです。

構造人類学のポランニは、社会の発展のモデルに、家族、同族、共同体に続き、国家、地域社会と並べ、家族から共同体までが互酬で、国家や社会は通貨による、市場経済体制と規定する。また、国民国家が資本主義を生み、市場経済が資本制だが、今は通貨万能になって、カネが過剰の働きをし、単なる数字になったために、資本制が行き詰っています。

古典派もマルクス主義も、カネに注目しすぎるし、経済学は疑似科学で、学問でないというのが、昔から私の立場だから、『Structuring Macromega経済学』と題し、40年も昔に本を上梓した。マクロとメガの視点で、経済現象を観察すれば、太陽系の経年変化が、経済現象を支配するし、気象変化や地殻運動は、ゴンドラチェフが指摘した、景気変動に影響するのです。

拙著の題名の中には、Omegaという言葉が、挿入されている通りで、Teihard de Chardinが云う、生命の究極の到達点である、Omega Pointを含有します。だから、人類にとって至上に属す、社会サービスの根幹である。教育と医療を市場化すれば、それは自滅への道だと論じた、イリイッチ博士に共感するのです。

私はアカデミアにも、文壇やメディア集団にも、全く関係を持たずに、独立自尊でやっているから、すべての権力だけでなく、ジャーナリズム批判をして、日本村から「村八分」されて来た。『朝日と読売の火だるま時代』で、39社も出版を断られ、『小泉純一郎と日本の病理』は、焚書攻撃を受けて、英文で『Japans Zombie Politics』を出し、読者を世界に求めました。

最も酷い文芸春秋のケースに、社長になった田中健伍が、編集長時代に記事を改竄したので、絶交した件については、『ゾンビ政治の解体新書』に書きました。また、『アメリカから日本の本を読む』が、一種の発売中止扱いだになり、担当部長が窓際族に降格されて、迷惑をかけた事件は、『日本沈没と日本崩壊』に記録しました。

何しろ、『文芸春秋』は官房機密費から、政府広報がダントツで、田中健五の出世の足場は、内閣調査室ご用達達だし、その使い走りの仕事が、彼の人生の始まりでした。また、田中健伍の子分だった、立花隆は私にとって、高校の二年後輩だが、彼の出世作とされている、田中金脈の記事は、立花の取材ではなく、内調が集めた情報を編集し、立花が纏めたものです。

しかも、福田派の大蔵官僚が、田中角栄の追い落としに、土地転がしの謎を追って、事件に仕立てたもので、派閥抗争の結果だったし、一種のフレームアップでした。だが、それが立花の勲章になって、出世の踏み台になったし、文春は「知の巨人」と彼を持ち上げ、宣伝に利用したのであり、日本のメディアの実態は、そんなマッチポンプの世界です。

同じようなケースには、1980年代に電通が、テレビ工作用に「青の会」を作って、田原総一郎が幹事役で、メディアで派手に動き、若手の論客を権力側に取り込んだ。1970年代においては、私に石油問題を取材し、忙しくしていた田原が、僅か数年で大出世して、メディア世界で名を売り、横柄になったので目を見張ったが、それが中曽根の台頭期でした。

しかも、立花が書いた記事は、出版時に注目されず、外国特派員クラブで、田中角栄が招かれて喋り、質疑応答の最初の質問が、LAタイムス支局長による、悪意に満ちた追及でした。ジェーマソンの攻撃に、田中首相が立ち往生し、それで事件が燃え上がったので、サムの素性を知っており、私は背後に中曽根が、仕掛人として潜むと考えました。

時事通信のワシントン支局長だった、佐藤紀久夫外信部長に招かれ、サムと一緒に昼食した印象は、実に面妖だったので、後で調査した結果は、驚きに満ちたものでした。彼はホモで有名であり、中曽根のホモダチだと、何人の特派員から聞き、その後に彼がクビになり、世界平和研に拾われたし、中曽根が角栄の失脚で、天下を取った謎が解けました。

だから、ロッキード疑獄の真相は、全日空のトライスターでなく、自衛隊のP3C哨戒機だと、私は確信していたので、それを著書に何度も、繰り返して書いてきました。だが、日本のメディア全体は、田中の五億円収賄だと、勢ぞろいして書きまくり、田中は「首相の犯罪」に憤死し、私は気狂い扱いされたが、中曽根は大勲位に輝きました。

こうした実体験を通じて、私は訓練した想像力と、鍛えた直観力に対して、信頼して意見を表明するのに、日本では黙殺され、本は誰も読まないし、書いた記事は削れと言われます。同じことは会計士として、認知会計を武器に使い、冤罪を告発している大兄も、似た体験をしているので、狂った日本の現状に対し、本当にうんざりさせられます。だから、『日本沈没と日本崩壊』を纏めたが、誰も出版しようとしないので、電子版で出したけれど、黙殺が続くばかりであり、日本という国の腐り具合に、ほとほと愛想を尽かした次第です。

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