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「藤原さんへの公開メール」と題されたフリーランス・ジャーナリストーの藤原肇博士(1938年生)と会計士の山根治氏(1942年生)の対話記事を通じて、私たち読者は intelligence のエッセンスを知ることができます。山根治ブログ 2021年08月10日号から転載させていただきます。「人生は短く、人為は長く、機会は逃げやすく、実験は危険を伴い、論証はむずかしい。医師は正しと思うことをなすだけでなく、患者や看護人や外的状況に助けられることが必要である」と例えられるアフォリズムがお二人の交流から伝わります。
コメント・メール(14)です。

山根治さま

大兄の公開メール(18)の中に、松江在住の大物権力者として、銀行頭取、松江市長、地元財界の会長、県議、県職員幹部の名前が、「ゾンビ政体の守り人」である、・・・と並んでいました。どの名も初耳のために、どんな悪行をしたかは不明でも、両親の墓がある松江が、こんな悪党たちの根城だとは、情けない限りの情報であり、風光明媚な松江の町へ、墓参に行くのが嫌になりました。

30年ほど前の松江は、竹下登や青木幹雄などが、したい放題をしていたし、山口組の舎弟の宮岡壽雄に、松江市長の椅子を提供し、それ以来は闇都市になり、黒い噂の町になりました。富岡は神戸の助役時代に、ポートアイランドの埋め立てで、山口組の手先として、デタラメをしたことは、当時の神戸では有名で、裏社会の隆盛に貢献した男です。

港は物流の拠点であるし、埋め立て工事は裏社会に、ビジネスの機会を与えて、暴力団の舎弟企業が栄え、1980年代から90年代は、山口組の全国制覇は、神戸の汚れた過去帳でした。その驕り高ぶりに対し、阪神大震災が襲来して、神戸に天誅が下っており、山口組の舎弟の富岡は、1989年の神戸市長選で、技術畑の笹山幸俊に敗れ、仕事の場を移しています。

島根は自民党の金城湯池で、竹下や青木がいるから、中海の干拓事業を口実に、一兆円事業を謳い上げ、1993年の松江市長選挙に、宮岡壽雄が当選を果たし、二匹目の泥鰌を狙いました。この利権のパターンは、港湾都市の横浜で、市議を務めた菅義偉人が、稲川会の直系の藤木組に、舎弟としての奉仕を通じ、権力を築いた路線に、相似象であると言えます。

四半世紀前の松江で、埋め立てを舞台に使い、起きていた暗黒政治が、現在では国政でも実現し、闇の世界の代理人が、表の世界に君臨して、日本の社会を食い荒らしています。宮岡が松江市長として、当選したのは1993年で、二期8年務めて死んだが、1996年に菅義偉は、国会議員に当選を果たし、2020年秋には首相になりました。

その直後の時点において、「…狙いを定めていた菅義偉が、自民党総裁になって、首相の椅子を掠め取った。教養も理念もない男が、一国のトップになり、思想も言葉もないので、たちまち馬脚を現し・・・」と、私は『日本に巣食う病神疫たちの正体』に書きました。だが、当時の世論調査では、菅内閣への支持率が、何と七割以上だったので、日本人の政治意識が、如何にお粗末であり、狂っていたかの証明でした。

それに続く菅の愚行は、公安警察畑を歩いて、安倍内閣と菅内閣を牛耳り、ボリシェビキ体制を確立し、日本の陰の支配者である、杉田和博に振り回され、「木偶の棒」そのものです。そのお粗末な見本が、学術会議への因縁で、無知蒙昧な菅義偉などに、業績の評価が出来る訳がなく、内調を支配し人事を握る、ポリ公の杉田の指図への盲従です。

首相が官房副長官に従い、その腰巾着を演じるのでは、猿芝居以下ということで、世も末と言わざるを得ず、そこまで政治は落ちぶれ、魑魅魍魎が跋扈しました。ポンコツ爺の二階に、手綱を取られるほど、自民党はグシャグシャになり、蝮の菅を睨み据えた、ガラガラ蛇の杉田和博に、頼らざるを得ないほど、内閣にまともな人がいません。

ハンナ・アーレントでなくても、アイヒマンの北村滋は凡庸だし、強姦推薦人の中村格が次長では、警察庁は国営暴力団で、裏と表が逆転しており、日本はワルピュルギスの夜の狂乱です。疫病神に取り付かれて、日本の政治が支離滅裂で、狂っていることは広島が証明し、八月六日の広島において、「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」では、挨拶文を読んだ菅義偉が、原稿を読み飛ばしました。

「・・・・広島および長崎への原爆投下から75年を迎えた昨年、私の総理就任から間もなく開催された国連総会の場で、『ヒロシマ、ナガサキが繰り返されてはならない。この決意を胸に、日本は非核三原則を堅持しつつ、核兵器のない世界の実現に向けて力を尽くします』と世界に発信しました。我が国は、核兵器の非人道性をどの国よりもよく理解する唯一の戦争被爆国であり、『核兵器のない世界』の実現に向けた努力を着実に積み重ねていくことが重要です。近年の国際的な安全保障環境は厳しく(※朱色下線部は、首相が読み飛ばした部分)、核軍縮の進め方を巡っては、各国の立場に隔たりがあります。このような状況の下で、核軍縮を進めていくためには、さまざまな場の国々の間を橋渡ししながら、現実的な取り組みを粘り強く、進めていく必要があります。・・・・」

中継放送をしたNHKは、原稿を字幕で流していたが、テロップは「日本は非核三原則を堅持しつつ、核兵器のない世界の実現に向けて、力を尽くしますと世界に発信しました…」と紹介した後で、字幕を中断したそうです。また、後で記者会見の時に、「先ほどの式典の挨拶の際に、一部読み飛ばしてしまった。この場をお借りしてお詫びする」と陳謝したが、果たして手違いなのかは、大いに疑問だと思います。

政府関係者は菅首相が、一部を読み飛ばしたのは、原稿を貼り合わせた糊のため、めくれなかったからで、「事務方のミスだ」と釈明したが、そこは最も重要な部分です。官房長官時代を通じて、菅が問題には答えずに、誤魔化しの手口を使い、すり替えやはぐらかしに終始し、卑劣な態度を貫き続け、姑息な姿勢に徹していたので、背後に作為が読み取れます。

無知蒙昧である菅には、役人が書いた原稿でも、文意を曲げる才覚はなく、厚顔無恥の常套手段で、気に食わない部分に対し、最初から黒塗りにして、意識的に読み飛ばしを試みた。しかも、杉田あたりの浅知恵は、ポリ公の調書作りの感覚で、挨拶は適当に誤魔化しても、問題ないと入れ知恵され、その振付に従ったのが、茶番劇の真相でなかったか。

安倍や菅が政治家として、自らの言葉で喋れずに、嘘や言い逃れを活用し、国民を騙し続けたので、詐欺師の話法に慣れて、日本語は伝達能力まで、ほぼ見失った状態にあります。だから、自民党の国会議員なら、低いコミュニケーション力で、金バッチを付けられることは、買収資金を受け取っても、起訴もされない広島では、法相が買収で監獄に行く、そんなレベルの民度です。

そんな議員や大衆には、『世界最高の話し方』という、共感を強調するだけで、話術を獲得できると論じた、「羊頭狗肉」の内容でも、ベストセラーの形で読まれ、国内では世界最高で通用します。だが、商売人が相手ならば、誤魔化し得たとしても、タレーランヤビスマルクに、話術の真髄を感じ取り、知恵や洞察を読む人には、全く役に立たないでしょう。

そうした識眼力の輝きは、文章能力次第であり、滝本哲史、今北純一、田坂広志など、国際舞台で活躍して、知恵と含蓄が豊富な、文章を書くような人が、著書で人格を表現しています。その点においては、役人の作文を棒読みし、まともな日本語で発話もできない、多数党の頭目だのに、安倍や菅を首相として、押し付けられている日本人は、世にも哀れな「畜群」で、ニーチェも嘆くことでしょう。

パンデミックに見舞われ。国民が毎日死んでいるのに、有効な対策も取らないで、医療崩壊を放置したまま、オリンピックに熱を上げ、醜悪な暴政が罷り通り、国を挙げて狂気が広がる。そんな日本を遠望して、あの国の愚かさには、救いがないと溜息をつき、原爆を厳罰と読み違え、それが問題にならずに、放置されている日本の現状こそ、21世紀用に再生する、「カサンドラ・クロス」です。

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