「藤原さんへの公開メール」と題されたフリーランス・ジャーナリストーの藤原肇博士(1938年生)と会計士の山根治氏(1942年生)の対話記事を通じて、私たち読者は intelligence のエッセンスを知ることができます。山根治ブログ 2021年08月17日号http://yamaneosamu.blog.jp/archives/10047374.html)から転載させていただきます。「人生は短く、人為は長く、機会は逃げやすく、実験は危険を伴い、論証はむずかしい。医師は正しと思うことをなすだけでなく、患者や看護人や外的状況に助けられることが必要である」と例えられるアフォリズムがお二人の交流から伝わります。
コメント・メール(15)です。

山根治さま

コメントメールの13で、政敵の小沢一郎潰しに、竹下が作った「山宝会」が、メディアを骨抜きにして、日本を亡国に導いたと論じ、竹下の偏執癖を指摘しました。「狐持ち」のことだけあり、竹下登の性格は陰湿で、多くの秘書の自殺を始め、奇妙奇天烈に属していた、皇民党事件まで起きており、それが日本の政治を狂わせ、安倍の暴政を育てたのです。

だが、それは車輪の一つであり、別の車輪としては、松下幸之助の虚像を作るために、仕掛けたPHPと政経塾が、政治発狂の布陣の形で、1970年代に蠢動を開始しています。PHPは疑似宗教組織で、道徳再武装を導入して、労務対策として始まったのだが、その予備作業としては、松下幸之助を神格化を試み、経営の神様に祭り上げたのです。

戦時体制下の松下電工は、軍事工業の一環として、松下飛行機や松下造船が、木造飛行機や艦艇を作り、兵器の製造を行ったが、敗戦になりそれを打ち切った。日立や三菱も同じで、敗戦と共に製造中止で、海軍から預かった白金は、軍部に返却しているのに、松下は返却しないまま、敗戦時の混乱のために,有耶無耶で終わったともいう。

軍事体制に協力して、維新精神を鼓舞した名残は、松下幸之助が1968年に、京都在住の有志を集め、明治百年を記念する形で、霊山顕彰会を発足させ、維新思想を鼓舞しています。それと共に歴史修正用に、PHP研究所が軸になり、松下幸之助の神格化のために、言行録の書き換えを試み、「経営の神様」の神話が、宣伝で広く普及して行き、その旗艦が『PHP』と『Voice』でした。

『Voice』の副編集長が、私の読者の一人であり、彼が何か記事をと頼み、私は対談ならと答えて、21世紀の課題でもある、老人問題について論じ、1979年四月号に出ました。「高齢者社会の老人と若者」は、この雑誌への唯一の記事で、それ以降は執筆を断ったが、雑誌は2000年正月まで、航空便でアメリカに、毎月届いて傾向が分かりました。

有望とされる新人に対し、発言の場を提供して、印税で懐柔した上に、次の段階で講演の機会を与え、体制に取り込む役割が、この雑誌にあると見抜き、「サンケイ」と同じ役割を演じていた。サンケイが私に接近し、利用しようとしたことは、『「アスペ」の三畸人交遊録』に書いたが、そのリクルートの政治版は、松下政経塾の開設であり、その実態は次の通りです。

http://muroutahito.blog33.fc2.com/blog-entry-391.html

このブログの後半部に、私と本澤二郎との対談が、二つ掲載されているので、それを読めば背景が理解でき,政経塾の正体の理解に、役に立つことと思います。

そこには『財界にっぽん』に出た、記事の一部が引用され、概略が想定できるが、全体は次の記事を読めば、立体的に浮かび上がるので、ブログを張り付けます。

https://6707.teacup.com/gamenotatsujinn/bbs/1130

また、『神の爆弾』の記事は、次のURLで全文が読めます。

http://fujiwaraha01.web.fc2.com/fujiwara/article/kaminobakudan201204A.html

これらの問題は深刻で、民主党の中に潜入して、「トロイの木馬」作戦を使い、野田内閣の崩壊として、安倍に政権を渡した、2012年のペテン劇が、裏切り行為として実現しています。これがゾンビ政治の確立で、それを立証したのが、『ゾンビ政治の解体新書』であり、一連のゾンビ・シリーズは、この本を嚆矢にしており、出版までに大変な苦労でした。

こうした潰瘍現象が、どんな歴史の流れの中で、発症したかについては、少し異なる視角から捉えた、井口治明の『戦争と外交の世界史』を読み、歴史感覚を磨いたら良いです。松下政経塾や三宝会は、梅毒性の皮膚病であり、放置すれば毒が全身に回り、命取りになりますが、大抵の日本人の意識だと、淋病扱いで軽視し、最後にご臨終になり兼ねません。

M資金についての話は、複雑な仕組みがあって、眉唾物の場合が多いが、総てカネが絡んでいるので、会計士でないと掴めない、仕掛で構成されており、時たまそれが表に顔を出します。その舞台になるのが、京都が中心の京阪神であり、その一端は『夜明け前の朝日』では、S資金という形をとり、中島主計官の汚職絡みで、第六章に書いてあります。

だが、この本は入手困難であり、首相や大臣だけでなく、財界人の印鑑証明がついた、大蔵省の公文書として、極秘資料のコピーは、歴史的にも重要だから、どうしても公開が必要です。そこで記録に残すため、『日本に巣食う病神疫たちの正体』には、第七章の296pから298pに、コピーを再録しておいたが、この価値を理解できる者が、果たして日本人にいるのか。

その意味で松下幸之助は、大徳寺の立花大亀和尚に、M資金の提供を受けて、パナソニックを大企業にし、経営の神様にもなり、虚名を高めているが、それだけに偶像性も大きい。首相公邸の近所に、秘密の別邸を保有して、松江にまで妾宅があったと聞くので、松江に詳しい山根さんが、どんな極秘情報を持ち、それを漏らして呉れるかが、大いなる楽しみです。

b23fcbae-s