「藤原さんへの公開メール」と題されたフリーランス・ジャーナリストーの藤原肇博士(1938年生)と会計士の山根治氏(1942年生)の対話記事を通じて、私たち読者は intelligence のエッセンスを知ることができます。山根治ブログ 2021年09月06日号http://yamaneosamu.blog.jp/archives/10499709.html)から転載させていただきます。「人生は短く、人為は長く、機会は逃げやすく、実験は危険を伴い、論証はむずかしい。医師は正しと思うことをなすだけでなく、患者や看護人や外的状況に助けられることが必要である」と例えられるアフォリズムがお二人の交流から伝わります。
コメント・メール(17)です。

山根治さま

無能無策だけでなく、教養も誠実さもない菅が、自らのバカさ加減で、行き詰って孤立無援になり、敵前逃亡の安倍と同じように、自滅で首相を辞めると決め、それで日本は騒然です。こんな間抜けな阿呆が、総裁なら総選挙は負けだと、自民党のゴロツキ議員が、危機感を抱いたために、菅は推薦人を集められず、それで観念したのでしょう。

この男が無能であることは、菅内閣が誕生直後に出た、『日本に巣食う病神疫たちの正体』に、私は直観に基づいて、第八章で次のように、人物評価を書きました。「…・脇の甘い安倍を支えて、長期政権を維持したのは、官房長官として雌伏し、権力の奮い方を学び、安倍の自滅を待ち続け、最後に寝首をかいた、マムシの本性を持つ菅義偉だ。・・・・そして、熟し柿が落ちるのを待ち、菅が後継者に収まり、次の首相になったが、この無教養のマムシ男の手で、日本がどう凌辱され、痛めつけられるかについて、希望は全くない状態だ。・・・」

当時は新首相と言うことで、内閣支持率は70%台もあり、日本のメディアが盲目な上に、洗脳されたために、日本人の民度の低さが、如実に表れていました。この時点でこれだけ適格で、的を得た指摘をした者が、恐らく一億人の中に、私を含めて数人だったなら、日本の言論界の荒廃は、悲劇的だと言うべきでしょう。

安倍もお粗末だったが、菅の酷さは絶望的で、コロナ対策の無能により、何百人も重症患者を殺し、これからもなお続く、病人の見殺しの罪は、殺人犯だと言うしかありません。安倍と菅は余罪も多く、こんな手合いを告訴せず、監獄にぶち込む力さえない、日本の検察や司法が、如何にお粗末であるか、日本人が肝に銘じなければ、「ゾンビの天国」は愚者の地獄です。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」は、ビスマルクの言葉ですが、どう見ても今の日本の状態は、戦前回帰路線のせいで、残念ながら愚者により、愚者が支配されています。神話を歴史と思い込み、国を挙げてカルト化し、統一教会と創価学会が、自公体制を確立して、それに神社神道が加わり、狂った三位一体の形で、政治を食い物にしています。

コロナの疫病を前に、必要な対応を怠って、「五輪」の乱痴気騒ぎに、のめり込んだ日本の政治家は、江戸時代なら「市中引き回し」で、「晒し首」になって当然です。2021年の迷走を見て、私は晩年の玄宗皇帝と、「安史の乱」を思い出し、思わず杜甫の「春望」を口ずさみ、歴史における相事象が、目の前に浮かび上がりました。

国破れて山河あり

城春にして草木深し

玄宗皇帝の晩年は、女を溺愛したので、息子と娘が30人づついて、60人の子沢山だったのに,側近の宦官の高力士が,女漁りの手助けをして、楊貴妃との愛欲に沈没した。しかも、楊貴妃は寿王の妃で、皇帝は息子の妻を奪い、「後宮の佳麗三千人」だのに、「寵妃権臣」の例をもれず、有能な人材を退けると、自己の道楽にのめり込んだ。

能力が劣る者を途用し、ごみ大臣の乱造は、安倍内閣の特色ですが、安倍は玄宗皇帝の女色と違い、カネ集めに熱中して、コメント・メール(7)に書いた通り、ODAで50兆円もばら撒き、キックバックを集めた。それだけではなく、広島の河井杏里の選挙では、買収用の資金として、一億五千万円を税金から出し、その半分を安倍は回収して、着服したと噂されたが、二階に弱みを握られ、それが政局の原因でした。

そのことは検察に任せて、安倍と菅の関係だと、安倍を引き継いだ菅が、演じた役割を歴史で探せば、唐を滅亡させた楊国忠は、ヤクザの大親分に連なり、それが権力支配の道具でした。安禄山の反乱劇は、楊国忠の権勢欲と、成り上がり根性が結合し、未曽有の政局を生み、それで唐は滅亡したが、菅は日本版の楊国忠で、詳しくは『十八史略』でどうぞ。

これから始まる「安史の乱」で、誰が安禄山の役を演じ、自公体制を潰すかは、歴史の教訓が教えるし、歴史に相似象を求めれば、コロナの体験が良い見本です。「今天下崩離,萬乗震盪,豈不為楊国忠割剥甿庶,朝野怨尤以至此耶」自ら招いた人災とは言え、ゾンビ政体の末路は悲惨ですね。

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