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「藤原さんへの公開メール」と題されたフリーランス・ジャーナリストーの藤原肇博士(1938年生)と会計士の山根治氏(1942年生)の対話記事を通じて、私たち読者は intelligence のエッセンスを知ることができます。山根治ブログ 2022年7月5日号(http://yamaneosamu.blog.jp/archives/14702965.html)から転載させていただきます。「人生は短く、人為は長く、機会は逃げやすく、実験は危険を伴い、論証はむずかしい。医師は正しと思うことをなすだけでなく、患者や看護人や外的状況に助けられることが必要である」“Life is short, and Art [of medicine] long; the crisis fleeting; experience perilous, and decision difficult. The physician must not only be prepared to do what is right himself, but also to make the patient, the attendants and the externals cooperate.” と例えられるアフォリズムがお二人の交流から伝わります。
コメント・メール(57)です

 山根治さま

 暑中お見舞いを兼ねて、メールを交わす友人たちに、次のような案内を送りました。

 嘘つきで売国奴の安倍が、台湾有事を口実に使い、核武装で戦争に参加するために、核による先制攻撃論の妄想が、日本のメディアを騒がせています。安倍や高市の如き低能が、攻撃論を煽っていますが、専守防衛が国是の日本に、低次元の軍事思想が横行するのは、自滅への路線であり、愚かと云うしかありません。そこでより上位の次元で、外交路線としての布石に、核武装を乗り越えた形で、何をすべきかと云う理論として、「時代遅れの核発想と究極の安全保障」と題し、小論文をまとめてみました。   
 これは台湾だけでなく、英文でも世界に公開し、国際世論に訴えるつもりですが、とりあえず七月七日に発行される、『紙の爆弾』八月号に公表して、問題提起の嚆矢にする予定です。地質のプロの立場から、「矛盾」の教訓を生かして、地球の運命を狂わせないために、貢献できるようにと期待し、「ダモクレスの剣」(山根注1)を吊るしてみました。タレイランやビスマルクなら、これ位は思いつくでしょうが、狂犬病の自公政権を始め、痴呆症の日本のマスコミは、逆に狂気の沙汰と思い、真意を見抜けないでしょう。
 ケネディ大統領も1960年に、国連演説で核兵器と「ダモクレスの剣」に触れ、「地球のすべての住人は、いずれこの星が居住に適さなくなってしまう可能性に、思いをはせるべきであろう。老若男女あらゆる人が、核というダモクレスの剣の下で暮らしている。世にもか細い糸でつるされたその剣は、事故か誤算か狂気により、いつ切れても不思議はないのだ。」と論じたが、ウクライナ戦争はキューバ危機に較べ、劣化した鏡像関係そのものです。老子は水の偉大さについて、「上善如水」(山根注2)と言ったが、普段は争わずに善をなす水でも、津波が秘めた威力の前では、核攻撃の脅迫も無力化し、驕れる独裁者を沈黙させ、「水善利、萬物、而不争」(山根注3)に導きます。愚劣なウクライナ戦争が進行中ですが、それでは、良い「真夏の夜の夢」を。

 貴信の公開メール66で、日本の安普請政治について、触れた川柳があったが、インフラ作りの中国の実態に、如何にインチキが多く、その弱点を突く戦略について、『紙の爆弾』の記事で論じてみました。「真夏の夜の悪夢」が、現実化しないことを祈ります。

(山根注1)ダモクレスの剣:常に身に迫る一触即発の危険な状態をいう。シラクサの僭主ディオニュシオス1世の廷臣ダモクレスが王者の幸福をたたえたので、王がある宴席でダモクレスを王座につかせ、その頭上に毛髪1本で抜き身の剣をつるし、王者には常に危険がつきまとっていることを悟らせたというギリシアの説話にちなむ。 −ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
(山根注2)上善如水:「上善は水の如し。」最上の善は、たとえば水のようなものである。−福永光司「老子」朝日選書
(山根注3)水善利、萬物、而不争:「水は善(よ)く萬物に利して争わず。」水はあらゆるものにプラスを与え、他のものとは争わない。

藤原肇氏の投稿記事『時代遅れの核発想と究極の安全保障』を掲載した「紙の爆弾」8月号
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