「藤原さんへの公開メール」と題されたフリーランス・ジャーナリストーの藤原肇博士(1938年生)と会計士の山根治氏(1942年生)の対話記事を通じて、私たち読者は intelligence のエッセンスを知ることができます。山根治ブログ 2022年7月19日号(http://yamaneosamu.blog.jp/archives/14929284.html)から転載させていただきます。「人生は短く、人為は長く、機会は逃げやすく、実験は危険を伴い、論証はむずかしい。医師は正しと思うことをなすだけでなく、患者や看護人や外的状況に助けられることが必要である」“Life is short, and Art [of medicine] long; the crisis fleeting; experience perilous, and decision difficult. The physician must not only be prepared to do what is right himself, but also to make the patient, the attendants and the externals cooperate.” と例えられるアフォリズムがお二人の交流から伝わります。
コメント・メール(59)です
 
 山根治さま

 参議院選の投票二日前に、安倍晋三が銃殺され、殺人容疑者の山上徹也が、供述したという証言によって、「統一教会(Moonie)」が浮上し、それが犯行の動機でした。統一教会の信者である、山上容疑者の母親が、霊感商法に乗せられて、財産の総てを差し出してしまい、一億円以上を巻き上げられ、家族は破産し困窮に陥り、悲惨な状況で呻吟したそうです。
 
 Moonieという集団は、合同結婚式や霊感商法で、悪徳カルトとして知られ、1980年代から世紀末にかけ、多くの問題を引き起こし、オウム真理教と並び、反社会組織として指弾されました。だが、サリン事件の衝撃が、余りに強烈だったから、霊感商法の悪質さが霞んだため、世間の関心が薄れた隙に、政界の中枢に潜り込み、自民党を侵食し尽くしたのです。
 
 それが著しかったのは、小泉政権の時代だが、国民が演技政治に陶酔し、小泉と竹中がコンビで国を売り、安倍がネオコン役を演じ、出世の階段を駆け上って、ゾンビ政体が日本を席巻しました。山上が安倍に対して、殺意を抱いた理由は、二代目教祖でもある、韓鶴子の身代わりに、安倍晋三を選んだ結果で、統一教会の広告塔役を、安倍が演じていたからです。

 長期政権を維持した後で、安倍に閣僚経験がないが、小泉は後継者として、未熟者の安倍晋三を選び、ゾンビ政体の継続を目指し、狼藉で乱れ切った宴席を、安倍に引き渡したのです。その経過については、『さらば暴政』の第二章に、「安倍の総裁選挙用に作った【美しい国へ】」と題し、そのお粗末さ加減について、見破って書いているので、それを以下に引用します。

 「経験と指導性の上で未知数だった安倍晋三が、ドサクサ紛れに首相の椅子に座った理由は、自民党議員の人材が枯渇していた事実とともに、巧妙な宣伝工作を展開したことが重要である。総裁選挙のニカ月前に安倍の政権構想とされる、『美しい国へ』と題した新書本を文藝春秋が発行したのだ。そして、全国の本屋の店頭に平積みになったが、カバーに巻いた帯には安倍の顔写真がカラーで印刷されており、選挙ポスターとしての宣伝効果を狙っていた。メディアの注目を集めたこの作戦の採用によって、安倍は顔写真の主として話題を集め、それを人気に転じたことにより、総裁選挙に勝利した。その辺を『ウィキペディア』は次のように紹介する。

 「・・・・・・2006年7月、小泉純一郎内閣の官房長官を務めていた安倍は、同年9月2日に予定されていた自由民主党総裁選への準備運動として、自らの政権構想を記した『美しい国へ』を出版した。政治家による国民向けの政権構想書としては異例の事として、この本は文藝春秋から新書版で出版され、日本全国の書店で平積みをされたため、多くの国民は『美しい国』という言葉を眼にする事になった。また、安倍は9月1日に総裁選挙への出馬を正式に立候補する際にも、『美しい国、日本』と題した政権構想のパンフレットを発表し、同党所属の国会議員に配布すると共に、一般国民に対しても広く公開した。安倍は党内の支持を集めていたため、事前の予測通りに総裁へ当選し、9月26日には小泉の後を継いで、内閣総理大臣に指名された。以後、安倍は『美しい国』の創造を常に訴え、自らの政権の基本理念を指す用語として使用し続けているため、日本国民の間では『美しい国』が安倍政権そのものを象徴的に示す言葉としても浸透している。

 ・・・・・・本のカバーや帯を著者の顔写真で飾ることで、選挙の宣伝効果を高めるというやり方は、アメリカ人が発明した選挙宣伝の一種で、マジソン街の広告会社が活用しており、選挙が近づくとこの手の本が大量に現れる。そして、ベストセラーということでテレビ番組が取り上げ、全国的な規模で話題が広まることにより、選挙結果に決定的な影響を与えるために、メディアミックスの新しい選挙手法になっている。しかも、選挙ポスターと同じように大量に印刷され、日本中にばら撒かれたことは疑いの余地がなく、この本の出版に政府の機密費が使われたかは、ジャーナリストが調べる必要がありそうだ。なぜなら、この本は大量に刷られてゾッキ本になり、アマゾンでは一冊一円で売りに出ているし、新古本特価のブックオフにも大量に流れていた。現に、ロスのブックオフでも一ドルで山積みだったので、資料として使うために私も一冊買っているが、中身はゴースト・ライターが書いたと一目瞭然で、もっとマシな人物に執筆させることが必要であり、こんな幼稚で中身が空虚である本の著者が、一国のトップに立つとは、悲劇だと痛感させられたのである。それだけに理性の片鱗も感じさせない内容であり、幼稚な所感を書き連ねている『美しい国へ』を読んで、私は思わずゲーテの言葉を思い出した。それはエッカーマンとの一八二七年四月十八日の対話であり、理性的なものは常に美しいというわけには行かない。けれども、美しいものはいつも理性的か、あるいは、少なくともそうでなければならない」に全く反していたからである。

 しかし、これは導入に過ぎなくて、核心に当たる部分は、次のような記述であり、安倍が如何にパクり屋で、統一教会の原理にかぶれ、その盲信者かが明白です。

 「そんな中に統一教会で活躍した経験を持ち、今では無関係に生きる人から聞いた話によると、統一教会を知るには太平天国を研究すれば、戦略について分かるというヒントを教わって、なるほどそうかと納得したことがある。それは勝共連合の久保木会長の秘話であり、このヒントを手引きにして統一教会の教義を調べれば、安倍の本の背後に潜む意図が分かるからである。安倍の本は題名からして実にいかがわしく、勝共連合の久保木会長の本から借用しただけでなく、それを下敷きにした事実が読み取れるが、その点を二〇〇六年九月十四日号の『週刊現代』は、次のような記事として指摘している。

 「 ・・・・・・安倍内閣が掲げた環境政策、「美しい星50」もこれに由来している。なお、『美しい国』という題名は、世界基督教統一神霊教会(統一教会)の初代日本支部長を務めた久保木修己の遺稿集として、2004年に世界日報社から出版された『美しい国・日本の使命』に使用されている。久保木は反共主義を唱える、国際勝共連合の初代会長としても活動し、安倍晋三の祖父である岸信介や、父の安倍晋太郎との関係もあった。その事から、両者の本の関連性を指摘する声も上がっている。また、『美しい国』それ自体は河野洋平が自由民主党総裁時代に、小沢一郎の『普通の国』構想への対抗として打ち出した『美しい国』論を換骨奪胎したものに過ぎず、パクリであるという指摘が松田賢弥によってなされている。・・・・・・

 このように、安倍が首相になるための工作として、いかがわしい情報操作が関与していたのであり、それが功を奏して安倍は天下人になった。また、ずいぶん古い話になるが、こんな体験をしているので、参考までに紹介して、新自由主義を語っても、安倍晋三の考えが付け焼刃で、パクリであるかを証明します。

 「安倍の『美しい国へ』は古本で一ドルだったから、買って損したという気にはならなかったが、内容がスカスカだから簡単に読み終えた。一つの発見はドーク先生の発言の引用であり、妙な再会に不思議な感じがしたが、一九九〇年に娘と一緒にカレッジ訪問をした旅で、東部の大学めぐりを車でした時のことだ。プリンストン大とジョンズ・ホプキンス大に続いて南下し、デューク大とノースカロライナ大のチャペルヒル校を訪れる途中で、甥がいたウェーク・フオレスト大に立ち寄って、私は偶然ドーク先生に出会い議論をした。日本文化の授業に使う必読資料としては、文献として何を読ませているかと聞いたら、高坂正尭などの京都学派の学者の名前を挙げた。その後で「これから日本の近代について、一時間の授業をするが、任せるから代わりにやってほしい」とドーク先生に言われた。そこで明治維新から大正リベラリズムまでということで、日本の文明開化というテーマについて喋った。「・・・・・・アメリカ人には理解が困難だろうが、日本の歴史の流れを知るための資料としては、丸山真男の本を読むことを勧めたい。それに対して一見すると読みやすいが、高坂教授は典型的な御用学者で権力の走狗であり、私は彼をインテレクチュアル・プロスティチュートと考えている。京大には内藤湖南という世界に誇る学者がいて、内藤先生から学べるなら京都に留学を薦めたいが、既に亡くなって久しいので残念だ・・・・・・」と講義の中で喋ったら、生徒たちの目がらんらんと輝いたのを思い出す。その後ウェーク・フォレスト大は東海大と提携したので、ドーク先生は日本に赴任し、国家主義の研究をしてから帰米し、イエズス会系のジョージタウン大の教授になった。彼はシカゴ大学で日本語と日本学を習得して、日本の超国家主義を研究テーマにしていたが、国家主義やロマン主義は危険な研究テーマであり、「ミイラ取りがミイラになる」ことが多い。日本の狂信的な国粋主義に免疫力のない外国人は、それにかぶれる可能性が非常に高いし、ドーク先生の大学とヴァチカンとの関係だろうが、靖国カルトが嬉しがる発言を『正論』にしていたから、安倍は喜んでそれを引用したのである。安倍政権が日本の未来について論じる時に、決まり文句のように「美しい国」が登場して、新聞や雑誌に氾濫する「美しい」という形容詞が、いつの間にかビ(美)シイの響きを伴うので、ヴィシー政権の歴史が二重写しになる。ヴィシー政権はフランスを占領したドイツが、第一次大戦の英雄ペタン将軍を首班にして、温泉地のヴィシーに親ナチスの政権を作り、エリート主義と位階制国家を掲げるとともに、この政権はヒトラー総統に対して忠誠を捧げた歴史がある。ヴィシー政権のモットーは「国家・家族・労働」であり、正規の立法手続きの代わりに、政令が日常的に使われ、「祖国の美しさ、偉大さ、継続性」を強調したが、ここに安倍と同じ「美しい」という言葉がある。そして、ナチスと組んだヴィシー政府は愛国主義を掲げ、国家への忠誠と奉仕を煽ったが、ネオコン思想にかぶれた安倍政権は、「美しい」を「ビ(美)シイ」と響かせて繰り返し、日本に満州レジームを築こうと画策したのである。

 それにしても、統一教会がその後改名し、「統一家庭連合」に変えて、安倍を広告塔に使ったことが、安倍射殺の原因だったと、警察発表で知ったが、自民党のヴィシー政権化は、歴史の相似象ですね。しかも、最近の「桜井ジャーナル」は、ヴァチカンの反共運動が、ネオナチと結びついて、「この頃の動きは、ウクライナ情勢に繋がる」と、意味深長な分析をしていて、ゼレンスキー大統領が、手羽先だと教えています。

 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/20220717/

 前号の記事を英訳して、世界のジャーナリスト仲間に、送信したら反応があり、「Dear Hajime, Thank you for this precision. A similar conclusion was reached here by a whistleblower based on his analysis of a slow-motion replay of the scene.」という報告がありました。日本のメディアのように、統一教会が明白だのに、「特定の宗教団体」と隠し、自民党との関係が、ばれないよう工作して、選挙に同情票を集め、安倍を犠牲者にして神格化しました。だが、世界には眼力を持ち、嘘を見抜く人がいて、中村格の如き警察庁長官が、仕組む小細工を見抜き、背後に潜む謀略に、騙されることはなく、真相を見逃さないのです。

 その点では、安倍の無能さと共に、統一教会の企みや、満州人脈の盲動も、『さらば暴政』を始めとして、『皇室の秘密を食い荒らしたゾンビ政体』に、ヒントは鏤めてあります。もちろんのことで、桜井さんのレベルなら、当然それを見抜いており、大手マスコミは明きメクラだが、問題の核心は逃さず、分かる知能の人には、ヒントを届けてくれます。目の前に存在しても、見えないのが「明きメクラ」で、安倍の馬鹿さ加減の指摘に、それを悪口と思う愚かさが、日本を愚者の天国にし、売国奴を国葬にするのです。

 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/20220718/

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