藤原肇博士の最新刊『ゾルゲ事件の謎: 日本のゾンビ政治の病理第二巻 Kindle版』(2022/10/4)を紐解くことをお勧めいたします。

社会的に優位にある個人・法人(組織・大企業)等が原告として民事訴訟を利用し、不都合な言論を封じる目的で勝つ見込みもないのに、自身を批判した相手(被告)に威圧目的で起こす「スラップ訴訟」と呼ばれる訴訟があります。言論した側(被告)は、正当な理由を持たない訴訟に付き合わされて困弊(こんぺい)し、やがて相手(原告)への意見や批判が厄介になってくる。こうした弱みに付け入るのが、スラップ訴訟の典型です。威圧を目的としているため、仮に敗訴したとしても、言論した側(被告)への嫌がらせは十分達成できる。「恫喝(どうかつ)訴訟」とも言われ、求める賠償金が法外に高額なケースが散見。合衆国ではでは言論の自由に反するとして約30州で抑止されています。しかしながら、わが日本での発言者の立場を守る法律が不備(不在)の状態が続いています。提訴される被告になると、その負担は重くのしかかるものです。本書139〜140頁に以下のような事情が記されています。
 緊急出版した第一巻に続き、『ゾルゲ事件の謎』と題して、第二巻を続けて出せ、とても嬉しい限rりであるが、これは削除命令を避け、記事を保存するためで、日本の言論の自由は瀕死状態だ。主権者を守るべき法律が、権力により乱用されて、名誉棄損を口実に使った、スラップ訴訟が頻発し、山根さんも巻き込まれ、記事の削除を要求されている。
 スラップ訴訟というのは、原告が勝利するように、最初から仕組まれた、ペテン訴訟の一種であり、発言者の口封じをして、言論の自由を封殺する、不正な訴訟の手口である。金銭があれば簡単 に、民事訴訟が出来るので、高い損害賠償を要求し、相手を脅迫する目的のため、威圧訴訟とも呼ばれて、平手打ちを意味するから、合法的恫喝に良く使われる。
 山根さんもその被害者で、私もそれに巻き込まれ、記事を削除されかけ、慌てて電子版に収録をし たから、編集作業が雑になり、非常に心苦しいけれど、証言だけは記録として残せた。これまで多く の妨害や、出版中止を体験して、目に見えない形て支配する、日本の言論弾圧には、馴れていると言っても、黙っているのは共犯だから、発言は続ける義務がある。
藤原肇. ゾルゲ事件の謎: 日本のゾンビ政治の病理第二巻 (pp.138-139). Kindle 版.
日本のゾンビ政治の病理第二巻

本書は「日本のゾンビ政治の病理」の続編で、その第二巻に相当するが、私の読者の一人の山根治さんと、彼の「山根治ブログ」で、交信した手紙を編集したものだ。ここで山根治さんと私が、どんな関係で知り合い、彼のブログを舞台に使い、意見の交換をした経過や、彼の人物像について、第一巻の「まえがき」を引用することで、簡単に紹介することにする。
「・・・彼は私より五歳若いが、一橋大学の商学部を卒業した公認会計士で、多分アウトサイダーとしては、日本で最も優秀な公認会計士である。彼は大学の卒業論文に、『犬儒派哲人ディオゲネス』を書き、贋金について論じたそうで、ギリシア哲学に詳しい変わり種に属す、プロフェショナルである。
内容は次のような構成である
第一章: ODAのバックマージンの秘密
第二章: 亀井亜紀子議員のソックリさん事件
第三章: プロフェショナルと弁護士の資質
第四章: コンプライアンスとアノミー現象
第五章: 安倍の虚言症と大本営発表のペテン
第六章: トークンとバイズ統計の秘力
第七章: ウクライナ問題と日本の公安警察
第八章: ゾルゲ事件の謎解き
第九章 : ゾルゲの数奇な人生
 松江の元市長が山口組の舎弟で、衆議院議長になった細田は、松江出身の議員だが、パワハラで虚名を高め、統一教会とズブズブだし、竹下登首相や青木官房長官が、出雲に金権政治の巣窟を築いた。しかも、言論統制を目指した竹下が、電通を軸に作った「三宝会」と、安倍が思想弾圧を狙う組織により、独裁ヘの抵抗は圧殺され、日本は収容所列島になり果てた。
現に2022年2月15日に、松江地方裁判所の判決は、「山根ブログ」の発言に対して、名誉棄損だから削除せよ、という命令を下したので、急遽電子版り出版になった。こうして本シリーズが生まれ、本書はその第二巻で、日本の闇世界に挑み、それがODAを使った錬金術が、経済援助を口実にした、外交のペテン術から、三百代言の世界に話題が広がる。
虚言とデッチ上げでは、大本営が典型であるが、それを個人のレベルで、姑息な手法で繰り返して、国会を出任せの舞台に、作り替えた安倍晋三は、本質に万引き男の臆病さがあった。だが、噓をつき慣れてしまい、罪の意識を喪失して、法の持つ役割を見失った時に、カルトの感化力で、憲法を踏みにじるっても、当然と思い上がり、それが安倍政治になった。
それがウクライナ問題で、対決した米ロにおいて、君臨した狂信と同じで、歴史修正主義とも呼ぶが、鑑手もある歴史を歪め、強烈な自己主張をする、ネオコン発想の妄信である。それに直ぐ感染して、猛威を振る悪魔が、カルトと公安警察で、異端裁判や魔女狩りは、血塗られた歴史を残し、その近代版でもある、ゲシュタポやKGBから、ゾルゲ事件に繋がっていく。

(参考)
4047aee3341b8ca67ea683e6d4b5b2e5--big-mac-go-vegan2005年2月、欧州人権裁判所は英国でマクドナルド社が起こした名誉毀損訴訟「マック名誉毀損(McLibel)事件」について、被告のヘレン・スティール氏とデビッド・モリス氏が公正な弁護を受けていないとの判決を下しました。ドキュメンタリー映画になっています。この裁判で両氏は、リーフレットの中でマクドナルド社の名誉を毀損したとして1994年に有罪判決を受けました。しかし欧州人権裁判所は、名誉毀損事件での被告は法的な手当てを受けられないため、欧州人権会議が定めた表現の自由の権利が侵害されたと判断しています。両氏は2万4,000ポンドの損害賠償とその他のコストへの補償を認ます。


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