朝陽@旭ヶ丘20230513

初等教育の小中学校の教員は、量的に不足しているようです。中等教育の高校と後期中等教育の大学そして高等教育(Higher education)の場である大学院などでは、教諭及び教授陣の質的な不足に直面していると思われますが、評価システムがないせいでしょうか全国の中等・後期中等・高等教育を対象にした教員に関する質と量に関する調査というものが見当たりません。
教員不足 “昨年度と比べ深刻化” 専門家ら国などに改善提言
(NHK 2023年5月10日 15時32分)
 各地の小中学校の教頭を対象に調査をした結果、教員不足がより深刻になり、子どもに影響が出ているとして、教育の専門家らが記者会見し、国や自治体に対して改善を提言しました。
 調査は、先月から今月にかけて全国公立学校教頭会を通じて公立の小学校と中学校の副校長や教頭を対象に行い、1770人から回答が寄せられたということです。
 その結果、小学校で、およそ21%、中学校では、およそ25%が先月の始業時点で1人以上の教員の欠員があると回答しました。
 回答があった学校の地域に偏りがあることなどを考慮する必要があるとした上で、前の年の調査と比べて教員不足が深刻になっていて、予定どおりに授業ができないなど子どもに影響が出ているとしています。
 調査を行った日本大学の末冨芳教授ら3人は、10日文部科学省で記者会見し、国や自治体に対して、少人数学級を進めて教員の採用を増やす予算を確保することや、教員の業務の一部を地域や外部に委託することなどを提言しました。
 末冨教授は「自治体も努力しているが、調査からは昨年度と比べても深刻化が見てとれる。子どもに不安を与え、不利益が出ているので、一刻も早い改善が必要だ」と話していました。

日本国憲法では私たち民衆が子らに「普通教育(ordinary education)」を受けさせる義務があること、そして学校教育法ではこの用語の意味と目標とするところが記されています。それは社会で自立して生きていくために必要な基礎的、一般的な知識などを得るための教育で、9年間の義務教育期間中だけのものではありません。ちなみに、小学校は基礎的な普通教育;中学校は普通教育;高等教育は高度な普通教育を提供する場であり、生徒と教授陣との関係が織りなす時空間です。もちろん、そこには特別支援学校の小学部・中学部・高等部も含まれる。一方、専門教育は、普通教育に対応する概念で、農業;工業;商業;水産;看護;福祉など学習教科を通じた教育サービスを提供する場であり、教授陣と学生とスピーカー(招聘される講師陣)との関係が紡ぎ出す真・善・美をベースにしたプロフェッショナルな時空間です。
日本国憲法第二十六条
すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。All people shall have the right to receive an equal education correspondent to their ability, as provided by law.
すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。All people shall be obligated to have all boys and girls under their protection receive ordinary education as provided for by law.Such compulsory education shall be free.
学校教育法第二十一条 
義務教育として行われる普通教育は、教育基本法(平成十八年法律第百二十号)第五条第二項に規定する目的を実現するため、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
一 学校内外における社会的活動を促進し、自主、自律及び協同の精神、規範意識、公正な判断力並びに公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
二 学校内外における自然体験活動を促進し、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと。
三 我が国と郷土の現状と歴史について、正しい理解に導き、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養うとともに、進んで外国の文化の理解を通じて、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと
四 家族と家庭の役割、生活に必要な衣、食、住、情報、産業その他の事項について基礎的な理解と技能を養うこと。
五 読書に親しませ、生活に必要な国語を正しく理解し、使用する基礎的な能力を養うこと。
六 生活に必要な数量的な関係を正しく理解し、処理する基礎的な能力を養うこと。
七 生活にかかわる自然現象について、観察及び実験を通じて、科学的に理解し、処理する基礎的な能力を養うこと。
八 健康、安全で幸福な生活のために必要な習慣を養うとともに、運動を通じて体力を養い、心身の調和的発達を図ること
九 生活を明るく豊かにする音楽、美術、文芸その他の芸術について基礎的な理解と技能を養うこと
十 職業についての基礎的な知識と技能、勤労を重んずる態度及び個性に応じて将来の進路を選択する能力を養うこと。


閑話休題(それはさておき)


政府の「教育未来創造会議」は先月27日に、2033年までに「海外留学する日本人を50万人に」「日本が受け入れる外国人留学生を40万人に」するとの目標等を掲げた提言をしました。個人的にニューヨーク州にある大学院と大学を卒業していることもあり、日本の優秀な若人が本人の望み通りに、躊躇することなしに、海外に留学して勉強するのを応援したいと思います。しかしながら、それは個別案件として応援したいということでして、これを国策として留学生の出入りをバーター(barter)すなわち物々交換の如く執り行うことには同意も賛成もしかねます。なぜなら、どう見てもこの度の『「海外留学する日本人を50万人に」「日本が受け入れる外国人留学生を40万人に」』することを目標とした国策は、私たち民衆とわが日本にとり最優先事項とは思われないから。教育サービスを提供する手段としての教育環境、そして教授陣と学生とスピーカー(招聘される講師陣)との関係が紡ぎ出すプロフェッショナルな時空間を日本国内に構築しようという教育立国の精神があったらステキだと考えています。

学生として大学院や大学または高等学校で勉強することの醍醐味は、教養が豊かな先生たちとの会話(conversations)・対話(dialogue)・討議(arguments)を通じて、彼/女の生活態度(哲学)が醸し出す「教養人としてのゆとり」から受ける薫陶の名残を尽きることなく我が人生に留め発展させるところにあると考えています。

生涯教育ということを考えたときには、合衆国で実践されている教育支援(Employer-Provided Educational Assistance)が素的です。福利厚生費(fringe benefit)として毎年最大5,250ドルの教育支援を雇用主から払い戻(reimburse)してもらうエンジンとなる税制はお見事。ニューヨークの大学院は1単位1,800ドル前後の授業料ですから、助かります。この支援は、今している仕事に関係した職業教育とは無関係のもので、転職や肩書を手に入れるためのものといったチャチなものではなく、自らを修める大人(たいじん)の学問ができる教育機会と環境を整備しようというもの。 この辺の討議(arguments)が、安らぎと美しさを意識させる場「日本」の国策として、市井(citizens)と国会(political leaders)でなされる日が来ることを願って止みません。
10. Employer-Provided Educational Assistanceをご覧ください。

「教育未来創造会議」 海外留学の促進へ 支援拡充など提言
(NHK 2023年4月27日 17時37分)
 政府の「教育未来創造会議」が開かれ、海外に留学する日本人学生を10年後までに年間50万人に増やすため、奨学金などの経済的な支援を拡充するなどとした提言をまとめました。
 高等教育の在り方を検討する政府の「教育未来創造会議」が総理大臣官邸で開かれ、岸田総理大臣や永岡文部科学大臣のほか、元慶應義塾塾長の清家篤氏ら有識者が出席し、2回目となる提言をまとめました。
 それによりますと、海外に留学する日本人学生を10年後までに今の年間およそ20万人から50万人に増やすという新たな目標を掲げた上で、海外留学のための奨学金制度を拡充するとともに、企業が従業員の奨学金を代理で返還する制度の活用を促すなどとしています。
 一方、年間20万人から30万人程度を受け入れている外国人留学生については、10年後までに40万人に増やすことを目標とし、優秀な学生を獲得するため、高校など早い段階からの成績優秀者の勧誘強化や、秋入学、通年入学の導入促進に取り組むとしています。
 会議の最後に岸田総理大臣は「わが国の未来を担う若者が留学を通じて成長し、活躍することは、社会を変革するための鍵となる」と述べ、ことし夏ごろまでに具体的施策の工程表を作成するよう、永岡大臣ら関係閣僚に指示しました。
未来を創造する若者の留学促進イニシアティブ
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未来を創造する若者の留学促進イニシアティブ
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