バルザックは慧眼に満ちた言葉を残してくれました。

天才とは、自分の企てるところを実行に移し得るもののことである。だがしかし、中でも真に偉大に値する天才は、その企てを成し終えることができない。なぜなら、もしそれが中断されなければ、彼はあまりに神に似てしまうからである。
ツヴァイク全集八巻『三人の巨匠』(みすず書房)の「バルザック」(柴田翔訳)より引用

作家としての自分の創造力が神にも等しいものだ!と魔が差した一瞬を乗り越えることができたから、彼はこう言えたのです。紙の上に文字を駆使して描かれた人物に生命を与える力を自覚できていた証とも言えます。彼のように諸人物を多く創り出した作家たちは、自身が日月星辰世界(the creator )に等しいと感じて、神へ抱くであろう畏れに似たものを自らに感じるに違いありません。時を同じくして、自分の筆によって多くの人物が生き動いている事実を以てしても、日月星辰世界が無限に備えている創造力を覚った後には、自分の成し遂げたものは小さく浅いと分かってしまいます。ですから、豊かな創造力のある芸術家はみな、謙虚。

この謙虚さこそが、自らが創り出した人間たちと動物たち、そして植物たちに、分け隔てなき愛を注ぐ源泉となるのです。
お花(140730)
a bouquet from Ms.Toshie on Emi's birthday

暑い日々が続きます。ご自愛願います。

SunSunと輝く朝陽を浴びながら    感謝