「藤原さんへの公開メール」と題されたフリーランス・ジャーナリストーの藤原肇博士(1938年生)と会計士の山根治氏(1942年生)の対話記事を通じて、私たち読者は intelligence のエッセンスを知る機会を得ました。藤原博士によると、2025年2月20日(木)に『 山根治ブログ』がバンされたのは、 山根氏に届いた【ご利用停止のお知らせ】メールに記載された理由、すなわち【利用規約 第1.4条(禁止行為)およびlivedoor Blog ガイドライン(禁止事項) に該当していたため】とのことです。『山根治ブログ』が利用できない間、藤原博士はnoteの藤原肇 Hajime Fujiwarに寄稿なさっています。2025年5月30日号「【No.118】ゲシュタルト崩壊する大阪:橋下徹ハニトラ事件と維新の正体 / 山根治氏からのコメント・メール(184)」から転載させていただきます。
「人生は短く、人為は長く、機会は逃げやすく、実験は危険を伴い、論証はむずかしい。医師は正しと思うことをなすだけでなく、患者や看護人や外的状況に助けられることが必要である」“Life is short, and Art [of medicine] long; the crisis fleeting; experience perilous, and decision difficult. The physician must not only be prepared to do what is right himself, but also to make the patient, the attendants and the externals cooperate.” と例えられるアフォリズムがお二人の交流から伝わります。
「人生は短く、人為は長く、機会は逃げやすく、実験は危険を伴い、論証はむずかしい。医師は正しと思うことをなすだけでなく、患者や看護人や外的状況に助けられることが必要である」“Life is short, and Art [of medicine] long; the crisis fleeting; experience perilous, and decision difficult. The physician must not only be prepared to do what is right himself, but also to make the patient, the attendants and the externals cooperate.” と例えられるアフォリズムがお二人の交流から伝わります。
【No.118】ゲシュタルト崩壊する大阪:橋下徹ハニトラ事件と維新の正体 / 山根治氏からのコメント・メール(184)
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『ゾンビ体制の断末魔と迷走するウクライナ戦争』に書いたが、受験戦争が厳しい韓国では、ソウル大学などの一流校の卒業生で、留学する時に行きたい大学の筆頭がシカゴ大学だ。その理由は事大主義であり、教授やOBなどの関係者に、ノーベル賞の受賞者が世界一多く、そこに行けば受賞の可能性が高いという、実に実利的な韓流発想である。
これは起亜自動車の申会長から、私が直接に聞いた話だが、彼の息子もソウル大学を卒業し文句なしでシカゴ大で、不合格ならコロンビア大か東大だと言った。しかも、在日韓国人の場合でも、同じ傾向が支配しているそうで、半島系の日本人が多い九州から中国や近畿では、東大を出て出世を狙うのが日本人に内緒な秘密らしい。
「韓国経済新聞」の李社長が、秘密のノウハウだと言って、他言無用だと教えてくれた話だと、鹿児島のラサールとか、久留米の久大付属高や福岡の修猷館が穴場とか。また、神戸の灘高から京大へは、ノーベル賞を狙うコースだが、東大に行く者は日本国内で、政官界や実業界での成功を狙う、アジアのユダヤ発想だと耳打ちした。
久留米大付属高校といえば、孫正義やホリエモンがいて、舛添要一は修猷館高ではないが、八幡高校から東大に行き、都知事時代に韓国学校問題で取り沙汰された。また、菅直人は宇部高校から東工大だが、妻の信子とは従姉婚だった上に、東海村の大混乱に際して、日本語でない言葉で絶叫したのでマスコミが大騒ぎした。
これは全く他言無用で私だけが知っていれば良い、秘密を見抜く魔法の眼鏡であるし、これを使えば色々と見抜け、政界やヒルズ族の正体が丸見えになる秘中の秘だ。また、シカゴ大の学生団体では、最大がユダヤ人クラブであり、二番がLGBT友愛会で三番がコレアン学生会だが、この情報は私の娘から教わった。
日本人はハーバード大を始め、東部のIvy Leagueを好み、台湾人はUCバークレーやMITを選び、韓国人はシカゴ大だと、著書のどこかに書いたはずだが、それを探すのは面倒だ。ただ、日本人は僅か一人であり、私の娘と父親が台湾人の青年で、日系は足して一人分だったが、新入生名簿をチェックしたら、Kim,Pak,Lee,Chung,という具合に、Koreanらしい名前は百人近くあった。
私は人種差別主義者でないが、これらのタブー的な情報に、レイシズムの印象を伴うなら、配慮不足で申し訳ないし、空気を読む力のなさが情けない。だが、最近の文化人類学では過激の度合いの弊害で、逸脱したLGBT運動を始め、激動する民族移動が、移民問題を大混乱に導くと反省の声も高まっている。
なぜならば、異常が異常でなくなり、変態が普通になるならば、人類は滅亡の運命をたどって、文化も文明も終わりで、この世が地獄になってしまう。その予兆はすでに現れ、日本でもジャニーズの隠蔽や小児性愛を放置する形で、次の世代の運命を損なう犯罪行為が、ゾンビ体制の下に放置されている。
その症候群を観察して三十年前に診断した私は、『平成幕末のダイアグノシス』を執筆したし、それ以降はカルテの形で、ゾンビ政治シリーズを書いて来た。私はガイア・ドクターを自任し、予防医学の見地に立ち、社会の健康維持のために免疫の強化を提言したが、それは黙殺どころか抹殺され続けた。
その具体的な例としては、雑誌社や出版社が潰され、発言の場を奪われたので、最後に残ったチャンスが、電子版の形で記録として証言を残す路線だった。紙になった本もあるから、それは嘘だと思う人もいて、大袈裟だと言うだろうが、本を買い取った例も多く、印税なしで懇願して出した本もあり、日本の出版事情は実に寂しい。
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結論だけを書くならば、日本の現状は悲惨であり、与党も野党も国民の幸せを忘れ去って、政界は反日邪教に乗っ取られ、売国奴集団のお花畑である。それが集約したのが大阪で、母体の腫瘍部分が腐乱し、自民党を食い尽くした維新が、商都を拝金主義で固め、「ナニワ金融道」の王国を築いた。
しかも、維新は日本財団の傀儡で、大阪を根城にしているが、瀬戸内海は玄界灘の入り江だし、半島の居留民が住み着いた京阪神は弥生文化の砦でもある。山口組の歴史については、筑豊から神戸に移った吉田磯吉が、神戸の港に足場を作り大組織にした話として、狩野健治と対談した後で教えて貰った。
戦後の後継者の三代目が、神戸藝能社を作ったとか、半島の白丁藝能を手本にして、美空ひばりや鶴田浩二を売り出し、荒稼ぎをしたということだ。また、大阪ではお笑いの吉本興業が、アチャコやエンタツで戦前の興行界を席巻したとか、そんな話を聞いたけれど、愚劣な世界の物語だから忘れた。
ところが世紀末になり、中曽根バブルの後遺症のせいで、日本の世情が狂い始めてしまい、オウム事件やオカルトが流行し、大阪を中心に維新運動がはびこり出した。関西のテレビ界が狂い出し、そこで橋下徹や漫才師が脚光を浴び、横山ノックが大阪市長になり、続いて橋下が市長になって、維新の「ええじゃないか」が大阪を包んだ。
大阪維新の会の背後には、戦前のファシスト運動を指揮した、笹川良一の平和財団が控えていて、日本財団や東京財団を名乗るが、その背後には国際勝共連合がいた。また、竹中平蔵が理事長だった東京財団は、日本財団の舎弟であり、本来は阪神財団と名乗るべきで、笹川良一は岸信介と並び勝共連合の生みの親だし、IFVOCはDSの突撃隊である。
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大阪市長や府知事の顔ぶれは、魑魅魍魎のオンパレードで、元大阪市長の松井一郎の父親が、笹川良一の運転手であり、市長と府知事を行き来した。同じことは橋下徹でもあり、大阪都構想は詐欺話だから、否定された段階で維新は解散で、橋下は辞職して当然だし、橋下にハシシタとルビをふったのは、私と副島の二人だけだった。
竹中平蔵の狡猾ぶりは慶応大の教授時代から、悪辣ぶりで悪名が高く、太平洋を股に往復し脱税していた話として、『小泉純一郎と日本の病理』に書いた。彼が使った姑息な手口は、万引きの常習犯に似て、姑息と形容できるものだから、詐欺師の天国の米国では、噴飯もののレベルに属していた。
<・・・それにしても、 竹中の住民票操作による税金逃れという蓄財術に至っては、そのセコさに唖然とさせられてしまう。『週刊ポスト』の記事によると、慶応大学助教授時代の竹中平蔵先生は、「 1 月1日に日本に住んでいなければ、住民税は支払わなくてもよい」と同僚たちに吹聴していた。そして、ハーバード大学の客員准教授の地位を利用して、日本とアメリカの間を半年毎にせっせと往復することで、税金を払わないよう太平洋上での戸籍の移転を実行していたのである。その履歴は次の とおりである。1989年7 月に米国に転居 1990 年 4 月に東京に転居。 1992 年 7 月に米国に転居。 1994 年 6 月に神奈川県藤沢市に転居。 1994 年 10 月に 米国に転居。 1995 年 5 月に神奈川県藤沢市に転居。 1995 年 11 月に米国に転居。1996 年 3 月に神奈川県藤沢市に転居。
果たしてこれが税金を扱う監督官庁において、その最高責任者がする蓄財術であろうか? こんな幼稚な手口が、経済学者が考える節税法だろうか? この問題を国会で取り上げた民主党 議員が、納税証明書の公表を 求めたのに対し、竹中大臣は「アメリカでは閣僚の納税証明書の公表が義務付けられているが、日本ではそうではない」という屁理屈を言って公表を拒否した。あきれ果てた話である。この程度の人間を外資が本気で「 代理人」にするわけがなく、せいぜい「使い走り」にすぎないのが妥当であり、同じ意味で、小泉の「聖域だらけ改革」の使い走りであろう。・・・ >
こんな程度のチンケな学者が、有識者会議で頭角を現し、小泉内閣では総務大臣や郵政民営化担当大臣をやり、日本の富を外国のハゲタカに、安値で叩き売る売国奴を演じた。しかも、パソナの社長に就任して、日本人の派遣労働者化を図り、利権漁りで荒稼ぎを試み、維新の会のペテン師を利用することで、大阪万博でも荒稼ぎしている。
https://www.youtube.com/watch?v=BSo2GWIDf_U
これが大阪を舞台に使った、竹中や維新の会の乱行だが、その背後には日本財団と結びついた、統一教会の姿が見え隠れし、更にそれを操るDSの存在が遠望できる。しかも、竹中はDSの手先として、小泉政権の閣僚時代に、日本売却を熱心にやり、売国路線を推進していたが、背景には彼の出自が関係し、彼は李平蔵だと暴露されている。
李 も 維新 も消えて無くなれ
そんな計画 🇯🇵国民が阻止 許さないから
お前達が🇯🇵から出ていけ🔥 pic.twitter.com/x
— 裕子 (@kkkfff1234k) March 16, 2025
彼は和歌山で下駄屋の息子で、桐蔭高校の出身であり、彼の先輩の落合莞爾の話では、江戸時代の履物に、底が革の雪駄があり、伝統的な地場産業に、下駄屋が繁盛していた。また、戦前に陸軍の兵器廠は、紀ノ川添いの部落から、革製品の供給を受け、憲兵のピストル保持の皮ケースや皮脚絆を作り、下駄屋稼業の竹中家は、それを商売にしていたそうである。
だから、海軍基地の横須賀で、波止場人足の口入れ屋から、地元の名士が議員になり、世襲の代議士一家を築いた小泉を手本にした竹中は、最後に人材派遣の道を選ぶ。そして、パソナの役員に就任して、政府利権で甘い汁を吸い、「今だけ、カネだけ、自分だけ」という、粗野な目的で群れを成す大阪維新の黒幕になり、大阪の都構想を推進して来た。
竹中の仕事の相棒役は、裏社会出身の橋下徹で、大阪で府知事や市長をやり、電力利権に食らいついて、ソーラー発電を導入し、上海電力と結びつき、大阪を東海州の首都にする工作をした。そんな売国計画がばれ、最近では橋下の淫行が、ハニートラップ事件として、上海の「かぐや姫」を舞台にした、スキャンダルの形で炎上し、大いに注目され騒がれている。
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橋下をハシモトと呼ぶのは、日本語としては無理だが、メディアは伝統を捻じ曲げ、卑屈な虚偽を国民に押し付け、こんな欺瞞に挑まずに、放置していた時代が終わり、真実を語る人が現れだした。それも維新の創立に関わり、欺瞞と売国性に気づき、脱党して反逆の旗を掲げたのが、吉野敏明という大阪人で、彼の勇気に誘発されて、現代版の大塩平八郎に続く人も現れた。
これが「燎原の火」の始まりで、腐った大阪を焼く尽くし、大掃除が実現するなら、世界のための貢献になるが、おりしもスペインでは大停電があり、中国製のメガパネルが原因らしい。米国で発覚した事件に、中国製のパネルに込んだ、インバータに発信機能があり、いざという時に機能して、停電を起動するらしいが、「超限戦」を構想する国なら、それを仕掛けても想定内だ。
危機管理の能力では、日本の現状は絶望的で、首相だった安倍晋三が、反日邪教の宣伝塔役を演じて、売国行為に終始したし、自民党員がシンパだから、日本の安全保障はガタガタだ。しかも、大阪は維新に支配され、都構想の実現によって、中国の東海州を目指しており、夢洲にカジノを作るため、その手始めに万博を行い、着実に売国の道を突き進んでいる。
戦争がサイバー化しており、ウクライナでの戦いでも、通常兵器を使った戦闘が二割で、情報戦が過半数であり、人工衛星や電算機を使う人材が主役だ。エネルギー問題を含めて、こうした時代においては、物理や工学に精通した、総合力を持った知性が、安全保障の主役を務め、判断力で国策を担当して当然である。
そうした時代であるのに、東大法学部を卒業して、法律に詳しい程度の人が、官僚として国策を担い、国政を指導するのでは、時代の変化に対処不能だ。路線の優劣はポリシーだが、政治や経済面での習熟は、パラダイムの次元に属すし、その上のレベルに哲学や倫理があり、この順序で組織は運営されてきた。それは『天空の主権』の第十二章で、詳しく論じているし、このゲシュタルトへの精通により、指導者の資質が決まるが、その理解が日本では軽視されている。
木原事件の場合では、官僚として抜擢を受け、官房副長官になった人が、デリヘル(宅配売春)趣味に溺れ、賭博依存症の人物でも、大手製紙会社の会長をやる。この退廃し弛緩した現状は、役者が東大法学部卒だし、エリート面で威張りくさって、醜聞を恥とも思わないで、のさばっているのであり、これは世も末だと溜め息がでる。
国家レベルにおいては、首相が反日邪教に平伏し、与党の国会議員の大半が、カルトの支援を仰いでおり、都知事も大阪府知事も共に、太陽光パネル疑惑の渦中にある。維新の会は東海州の首都になる日の到来を目指し、売国行為に明け暮れており、中国に飲み込まれないためには、余ほどの強い意志が必要になる。
ここまで書いた時点で、山根治さんからメールが届き、今度は冤罪を暴く原告として、弁護士の詐欺師と検事に対し、告発する弁論を展開し、徹底的に戦かうとの言葉だった。それを告げる公開メ−ル−(184)を以下に添付する。
藤原肇さんへの公開メール − (184)
冠省 昨日(令和7年5月29日)、名誉毀損罪の公判(被告・加害者 山根治、告訴人・被害者 〇〇〇〇とする刑法230条第1項名誉毀損罪被疑事件)がありました。公判終了後、貴兄に架電し、デタラメな裁判(冤罪捏造の裁判)が公開の法廷で始まった旨申し上げました。
何故デタラメな裁判か、その理由は簡単です。罪となる事実が存在しない事件(冤罪事件)だからです。仲島れな検事が、虚偽の起訴状を作成したことについては、貴兄への公開メール−(183)で述べた通りですが、同検事が作成し公開法廷で読み上げた起訴状・冒頭陳述は、告訴人・ 〇〇〇〇の告訴状(令和6年9月5日付)と矛盾しており、この名誉毀損被疑事件は、「起訴状に記載された事実が真実であっても、何らの罪となるべき事実を包含していないとき(刑訴法339条一項二号)」に相当するもので、公訴棄却の決定をすべしとされているからです。仲島れな検事が告訴状と起訴状・冒頭陳述との矛盾を解消するために、トリックを用いて告訴状第2.2摘示された事実が虚偽であることとする主たる犯罪構成要件をスッポリと消し去っているのです。このような欺罔行為を平然として行うなど、同検事は検事の仮面をかぶった詐欺師といってもいいでしょう。
一件落着、ユーレイの正体見たり 枯れ尾花 といったところでしょうか。末尾に冒頭陳述要旨と起訴状及び告訴状を公開(パブリック・アナウンスメント)いたします。
追伸 次回の公判期日が、令和7年7月1日(火)午後1時30分と指定され、 〇〇〇〇弁護士への証人尋問が実施されることになりました(検察側主尋問30分、弁護側反対尋問30分)。
弁護士の仮面をかぶった詐欺師と検察官の仮面をかぶった詐欺師が公開法廷でどのようなやり取りをするのか楽しみです。
冒頭陳述要旨 https://acrobat.adobe.com/id/urn:aaid:sc:ap:2750ce75-6925-43b6-9f6d-901f93eee820
起訴状 https://acrobat.adobe.com/id/urn:aaid:sc:ap:50394de3-7b15-47c8-af9f-fc6dfaebc5b9
告訴状 https://acrobat.adobe.com/id/urn:aaid:sc:AP:4542b5f6-4745-458b-9de8-53c470d40129
【転載記事】
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『財界 にっぽん』 2009.09月号
暴政が支配する日本に救いはあるか
ネオコン政権が日本を破滅に追いやった
ネオコン政権が日本を破滅に追いやった
国際ジャーナリスト 藤原肇
ジャーナリスト 猪野健治
ジャーナリスト 猪野健治
日本の政治がいよいよ阿鼻叫喚状況を呈するに至って いる。本誌の長期連載「マスコミ批評119番」で 健筆を振るう猪野健治氏と、たびたび本誌で日本の政治 の暗部を鋭く批判してきた台湾在住の国際ジャーナリス トの藤原肇氏に、藤原氏の新著『さらば暴政』(清流出 版)を踏まえながら、日本の政治危機の深層と立て直す 可能性についてを語り合ってもらった。(文中・敬省略)
平成維新が必要でも短兵急にはいかない
猪野 藤原さんはアメリカ在住と うかがっていましたが、アメリカ を離れられたそうですね。
藤原 アメリカの資本主義は潰れ ましたから、もうアメリカにいて もしょうがないと思って、台湾に 移住しました(笑)。
猪野 これからはアジアというこ とですか。
藤原 いろんな意味で、アジアで しょう。
猪野 最近の日本の政治も潰れた も同然の状態で、私は平成維新が 必要だと思うんです。その平成維 新の最大の眼目は、対米追従から の脱却です。藤原さんは最近、 『さらば暴政」(清流出版)という 本を出し、自民党政治を徹底的に 批判されています。本日はその本 の中身を中心に、日本の政治の空 洞化を徹底的に解剖し、この国の 政治のあるべき姿を探りたいと思 います。
藤原 平成維新が必要だといわれ ましたが、「維新」という言葉は ファシストの言葉です(笑)。
猪野 いや、必ずしもそうじゃな いですよ。いま日本の右翼は「反 米」だけでなく、自主独立を主張 しています。昭和維新から連想す ると、そういうイメージがありま すが、昭和維新という言葉は明治 維新から来ていますからね。維新 というのは、これまでの旧い体制 を壊し、新しい体制を創っていく、 という意味です。
そういう意味で、平成維新が必 要だと思うわけです。
藤原 ただ、維新は体制内での権 力の収奪戦であり、人民から沸き 起こったレボリューション(革命) とは違います。
猪野 私がイメージする平成維新 は、昭和維新とは違います。実際、 対米従属から脱却しようと思えば、 相当の緊張を強いられます。また、 国民の大多数がその方向に賛成す るように、誘導していかなければ ならない。短兵急にはいかないと 思います。
たとえば、目の前のことで言え ば、今回はひとまず民主党政権を つくる。しかし、半年か一年で潰 れるだろうと思います。検察がス キャンダルをしっかり握って、待 ち構えていますからね(笑)。同 時に、すでに壊れかけている自民 党がぶっ壊れ、新しい政党ができ る可能性があります。いや、可能 性というよりも、新しい政党を創 らにゃいかんと思います。
藤原 日本国内では、政権交代と か政界再編などと言っていますが、 世界から見ると、日本はほとんど 存在感がなくなっています。評価 されていないというか、日本ナッ シングになっています。だから、 今の政治を立て直す中で、日本サ ムシングというものを考えていく 必要があります。
猪野 当然です。 その場合、対米従属を含めて、 国際関係をどう変えていくかです。 私はイギリスを除いたEUの路線 が正解ではないかと思います。イ ラクに参戦しなかったドイツ、フ ランスの路線ですね。その路線を とれば、中国とも対決しなくて済 みます。領土問題は残りますけど ね。
「公共善」を忘れた 日本の「暴政」を批判
猪野 さて、『さらば暴政』は自 民党政治に引導を渡すような厳し い内容になっていますが、最初に 藤原さんの思いをうかがっておき たいと思います。
藤原 実は、この本の大半は、二 年前、安倍政権時代に書いたもの です。それが本にならなかった。 それにはその前段があるわけです。 私は小泉政権時代、『小泉純一郎 と日本の病理」(光文社)という 本を出しました。当時は小泉を 「よいしょ」する本ばかり出てい ましたが、世界から見た小泉の実 像を書いて、小泉を批判したわけ です。
しかし、その本は小泉を批判す ると同時に、メディアがいかに腰 抜けかということも書いてありま したから、メディアから完全に無 視されました。ただ、最近はネッ トが発達していて、ネットで話題 になったものですから、一ヵ月で 四万部も売れました。小泉サイド には相当ショックを与えたと思い ます。
小泉のあとに安倍が出てきて、 これは日本が危ないと思って、安 倍政権の頃に、この「財界にっぽ ん」に、安倍を批判する記事を連 載したわけです。その連載を柱に、 安倍を批判する本を作りましたが、 前の本がショッキングな内容で、 メディアからも無視されたもので すから、どの出版社も二の足を踏 んだのです。
猪野 まあ、現在の日本の政治を 「暴政」と位置づけているわけで すから、出版社も腰が引けるでしょ う。(笑)
藤原 調べてみると、明治以降、 日本で「暴政」という言葉をタイ トルに使った本は、たった三冊し かないそうです。今回も「暴政と いう言葉は強すぎる」と言われま したが、私が言う暴政は、「善政」 に対する言葉ではなく、世界的に 通用している「公共善」「共通善」 に対する言葉です。「公共善」「共 通善」とは、その国に住む国民の 幸せのために、国は何をすべきか という考え方に立脚する言葉で、 英語で言えば、「コモングッズ」 です。それが日本の政治にないか ら、その反対語である「暴政」を 使ったのです。
猪野 「コモングッズ」つまり 「公共善」「共通善」という言葉の 反対語としての「暴政」を持ち出 すところなどは、日本脱藩して、 アメリカに拠点を置きながら、世 界から日本をウォッチしてきた、 藤原さんならではですね。
藤原 私は二十五年間、アメリカ にいました。その間、アメリカの 資本主義は帝国主義的に、やりた い放題やってきました。弱肉強食 の論理で、あらゆる悪どいことを やり、その果てに自分のエネルギー を消耗して、世界からつまはじき にされる。その内部崩壊と外部崩 壊が一気にやってくるのではない かと見ていましたが、案の定でし た。それに加えて、欲望丸出しの 金儲け主義が行き詰って大恐慌を きたしている。何百年に一度とい う金融帝国主義の終わりを、この 二十五年でつぶさに見てきたわけ です。
ネオコンの巣窟は シカゴ大学だった
猪野 二十五年間のアメリカ在住 で、日本人が知らないアメリカと いうものも感じたでしょう。
藤原 アメリカは民主党、共和党 の二大政党ですが、実は民主党も 共和党も共和主義を理念にしてい ます。日本は共和制とは相容れな い君主制だから、共和制のことを 全然わかっていない。だから、さ まざまな政党が生れては消えてい ますが、一度も共和党は出てきて いません。
私はアメリカ在住の初期の頃に、 中西部で石油開発に携わりました が、周りは共和党支持者ばかりで した。共和党の総本山がどこかと いわば、シカゴであることがわか りました。それで私は、シカゴを 徹底的に調べるために、娘をシカ ゴ大学に入学させました。二十三 年前のことです。
シカゴ大学はロックフェラーが 創った大学で、百年の伝統しかあ りませんが、アメリカを支配して います。
今回、シカゴからオバマ大統領 が誕生しましたが、歴史的にシカ ゴとニューヨークは、アメリカの 大きな対立軸なのです。日本では、 シカゴ大学はノーベル賞受賞者を 世界でいちばん多く輩出した大学 として知られていますが、私のよ うに、アメリカの共和党の砦とし てシカゴ大学を調べたのは、日本 人で初めてだと思います。そして わかったのは、ネオコンの巣窟が シカゴ大学だということです。
猪野 どのようにして調べたんで すか。
藤原 学生の父兄なら、大学にも 出入り自由です(笑)。シカゴ大 学はネオコンの巣窟であり、金儲 け資本主義の総本山でした。
猪野 シカゴ大学を調べているう ちに、シカゴがネオコンの巣窟と わかり、マネー資本主義のルーツ. もわかって、アメリカの帝国主義 的な資本主義は、いずれ破綻する と確信したということですね。
藤原 そういうことです。私が日 本も危ないと深刻に感じたのは、 「私は日本のネオコンである」と 主張する安倍が首相になったとき です。これはアメリカに引きずら れて破綻すると思いました。
猪野 安倍は岸信介の孫ですが、 藤原さんは『さらば暴君」のなか で、安倍のルーツをよく解剖して いますね。
藤原 戦前の帝国主義、植民地主 義を戦後に持ち込んだのが、岸・ 福田派の流れです。それに対して、 金権・利権を柱にしたのが田中派 です。田中派の流れは現在、小沢 一郎が引き継ぎ、民主党の底流に ある。岸・福田派の流れは清和会 として、安倍が所属する森派・町 村派に受け継がれています。そう いう意味では、現在の永田町には、 旧態依然とした共産党を除けば、 昔の自民党しかないわけです。
日本のメディアは、こんどの総 選挙で政権交代が行われるような ことを報道していますが、これは 三十年以上前の、自民党内の官僚 派と党人派の権力闘争のようなも のです。現在の日本の政治の混迷 は、小渕が不可解な死に方をした あと、岸・福田派は引き継ぐ森が、 談合で首相になったとき始まって います。そして森政権が短命に終 わったあと、日本を葬ろうとして いる外国勢力とつながって、構造 改革を推進したのが、小泉・竹中 の買弁ラインでした。
米から資金提供受けた 岸信介と自民党
猪野 そのあたりは『小泉純一郎 と日本の病理」に詳しく分析され ていますね。
藤原 小泉・竹中が外国勢力とつ ながってやろうとしたことが、今 回の大恐慌によって、次第に白日 の下にさらけ出されようとしてい ます。そして、小泉のあとに安倍 が出てきた不透明な背景も、徐々 に明らかにされると思います。そ こは日本のジャーナリズムの真価 が問われるところです。安倍は官 房長官はやっていますが、ろくに 大臣経験もないまま首相になって います。そういう例は、日本新党 ブームに乗って、反自民の連立政 権で首相になった細川護煕ぐらい でしょう。
猪野 安倍は坊ちゃんに過ぎない。 何も知らないですね。その点、麻 生と似ている。
藤原 いや、坊ちゃんというのは 良い家に生れて、きちんと躾けら れた、物事のわかる人のことです よ(笑)。安倍はそうじゃない。 安倍家のどら息子ですよ。指導者 はエキスパートでなければなりま せんが、安倍は全然違う。そうい う人間を、「安倍ちゃん」などと 親しげに呼ぶ、日本のジャーナリ ストも甘いですよ。
安倍は首相になるとき、「美し い日本」なんてトンチンカンなこ とを言い、尊敬するのは祖父・岸 信介だというようなことを書いた。 それで私は『さらば暴政」のなか で、岸が戦前、満州でやったこと などを検証し、歴史的に総括して おいたわけです。
ニューヨークタイムズのワイナi 記者が書いた本を読むと、岸は戦 後、駐日アメリカ大使館のCIA 筋から資金をもらって首相になっ たと書いてある。首相になってか らも、もらい続けて弟の佐藤栄作 に渡した。つまり、自民党はアメ リカの諜報機関から資金をもらい、 五五年体制を守ってきた。そうい う歴史の実態を知らないと、いつ か歴史に仕返しをされる。
もともと自民党は、満州ゴロ、 上海ダマと言われた人たちが支え た政党です。児玉誉士夫が上海で、 児玉機関を使って集めたプラチナ、 金、ダイヤモンドを、朝日新聞の 社機を使って日本に運び、それを 仲間の辻嘉六に渡したという話は、 昔の本には詳しく書いてあります。 そのあたりは猪野さんの方が詳しい。
猪野 児玉が上海から貴金属を運 んだというのは、終戦直前の話で すね。上海の飛行場を飛び立とう としたとき、荷が重くてすぐには 飛べなかった。「何を積んだのか」 と操縦士に訊かれると、児玉は 「黙って飛べ!」と、飛ばせたそ うです。どこの飛行場か忘れまし たが、よく上手く着陸できました ね。積み荷は今で言うレアメタル、 希少金属です。戦後、自民党はそ のカネを資金にして創られた、と 言われていますね。
藤原 戦後しばらく、戦犯として 小菅に収監されていた児玉に代わっ て、その資金を自民党の結党のた めに流したのが、辻嘉六です。要 するに、自民党は右翼とゴロツキ のカネでできたわけです。
猪野 もともとその貴金属は、児 玉が米内光政海軍大将(当時)か ら、「日本はもう負けたから、こ れはあんたの旧部下のために使え」 と言われ、譲り受けたものです。 多少は児玉機関で使いますが、残 りは最初、宮内省に預けています ね。しかし、占領軍に調べられて 見つかるとまずい、ということで、 児玉がまた取りに行くわけです。 その情報が辻嘉六の耳に入り、児 玉のところに交渉に行く。提供す るに際して児玉が出した条件は、 「天皇制を護持すること」の一点 だったようです。その後、そのダ イヤモンドを河野一郎が売り歩い ていた、という話もありますよね。 いずれにしても、古い話ですよ (笑)。
自由資本主義は崩壊、 国家社会主義の芽が
藤原 しかし、それが自民党の出 発点になっていることは間違いあ りません。
そして、自民党政治は表では利 権漁りをやり、裏では右翼、暴力 団とつながっていた。自民党にカ ネを流した辻嘉六の場合は、娘の 辻トシ子を自転車協会に陣取らせ (現・監事)、自ら通産省に大きな 影響力を行使しました。
つい最近、麻生は十五兆円の補 正予算をばらまいたが、これもす べて利権と絡んでおり、役人の天 下り先を通じて、政治家に還元さ れるシステムになっています。昔 の自民党と何ら変わりません。
猪野 ばらまきと言えば、最近の アメリカも背に腹は替えられない と、おおっぴらにやっているよう ですね。
藤原 そう。つぶれかけた銀行や 自動車メーカーを救済するために、 ドル刷りまくっています。刷りす ぎてインクが足りなくなり、日本 のインクメーカーにまで緑色のイ ンクを注文しているようですよ (笑)。
従来、アメリカはドルを大量に 刷ることによって、日本から自動 車をもらい、中国から電化製品を もらい・フランスからはワインを もらってきた。世界はそれに、も ううんざりしていますよ。フラン スはドゴールの時代からそれに気 づき、「ドルは嫌だ。金にしてく れ」と言い、最近はとうとうユー ロをつくったわけです。
そのアメリカの自由資本主義も 二〇〇八年で崩壊しました。今、 アメリカで何が行われているかと 言えば、企業の国有化です。これ はまさに国家資本主義です。この あとに何が来るかと言えば、国家 社会主義、ファシズムの時代です。 一九二九年に始まった世界大恐慌 のときには、アメリカ国内にまだ 自由主義が健在で、ファシズムヘ のブレーキ役を果たしていたが、 今は自由主義はありません。ヨー ロッパの社会民主主義もブレーキ 役を果たす力はない。このまま行 けば、世界中が全体主義に巻き込 まれる可能性があります。
猪野 おっしゃるとおりです。巨 大企業を救済するには、国が資金 を出さざるを得ない。それを安易 に容認していくと、気づいたとき には国家社会主義が根づいている ことになりかねない。
藤原 倒産は資本主義におけるもっ とも安全な解決策ですよ。それを 国家が干渉して企業を無理に存続 させると、国家資本主義になり、 やがて国家社会主義になる。歴史 は繰り返しますよ。だから、最良 の解決策は「歴史の教訓」に学ぶ ことですが、力量のない人が真似 をすると失敗する。 一九三〇年代の大恐慌のときに は、イギリスにケインズがおり、 その前にはマルクスがいました。 マルクスもケインズもすでに破綻 したという人がいますが、これを 超える人が現在の世界にいない。
アメリカの巨額国債が 日本に押しつけられる
猪野 アメリカの金融資本主義、 カジノ資本主義と言った方がいい と思うが、これが破綻した原因は、 企業の会計を時価会計にしたこと と、そこに金融工学を導入したこ とです。そして、サブプライムロー ン的な滅茶苦茶な金融派生商品を でっち上げて、いわば毒入りまん じゅうを世界にばらまいた。これ が破綻することは目に見えていま した。
それをアメリカがどう再構築し ようとしているかと言えば、オバ マ体制は資本主義を国家管理する 道を選びました。GMだって、国 家がカネを注ぎ込んだからといっ て、蘇生するかどうかわかりませ んよ。
藤原 無理でしょう。
猪野 そこで私が心配するのは、 アメリカがその原資を巨額な国債 発行で賄おうとしている点です。 それを誰が買うのか。ヨーロッパ は買わない。中国も買わない。と なると、日本が買わされるのでは ないか。どれくらい押し付けてく るのか。それを考えると、空恐ろ しくなりますね。
藤原 その土壌をつくったのは、 ネオコンに尻尾に振った日本の政 治家たちであり、はっきり言えば、 小泉、安倍ですよ。小泉などは、 メディアを利用して、「改革」を オウム返しに言っていただけで、 ネオコンにいいように利用された わけです。
猪野 小泉改革 の目玉は郵政民 営化ですが、日 本郵政の株式が 売却されるとき が危ない。「か んぽの宿」の売 却が問題になり ましたが、日本 郵政の株を誰が 買うか、これは 厳しくチェック する必要があり ますよ。
藤原 アメリカ はカネがありま せん。日本のカ ネを吸い上げる ために、知恵を 絞っている。そ のために工ージェ ントとして使わ れたのが竹中平蔵です。竹中は一 年の半々を日米に住み分けて脱税 するような、姑息で意地の汚いな 男です。そういう男は操りやすい ので、アメリカは竹中を使ったわ けです。
竹中は日本開発銀行時代にハー バード大学に客員研究員として留 学し、その後、同大学の客員准教 授になっています。日本人は肩書 主義ですから、彼が優秀だと思っ ていますが、ハーバード大学には コネがあれば入れる五パーセント 枠があり、ハーバードに留学した からと言って、優秀とは限りませ ん。
現実に、竹中が母校・一橋大学 に経済学博士号を取るために提出 した論文は、あまりにも初歩的だ と判定され、不合格になったそう です。
猪野 民間出身大臣が選挙に出て、 一度参議院議員になったにもかか わらず、小泉内閣が終わると、任 期を四年近く残して辞職してしまっ たのも不評だった。
藤原 日本では、ネオコンのこと をネオ・コンサバティブ、新保守 主義ぐらいに受け止めていますが、 彼らはとんでもない連中ですよ。 彼らの考え方は、カネを稼ぐため には何をしてもいい、強い者は何 をしてもいいという、弱肉強食の 思想です。
猪野 アメリカ流資本主義。
マネタリズムを煽った シカゴの人脈
藤原 それは、英国で起こった古 典的な資本主義とは全然関係あり ません。帝国主義が化け物と化し たもので、拝金主義に凝り固まっ たものです。その巣窟が先ほど指 摘したシカゴなのです。ここでも う一度、シカゴ大学の系譜につい て詳述しておきます。
実は、シカゴにはヨーロッパで もっとも反動的といわれるオース トリアの勢力が流れてきています。 ヨーロッパ大陸の近代の勢力図を 見ると、オーストリアのハプスブ ルグ家と、フランスのブルボン家 を倒したナポレオンが対立し、そ してその外側にイギリスがいる、 という構図になっている。この対 立がアメリカにも持ち込まれ、私 が見るところ、オーストリア勢力 がシカゴに、フランス勢力がイー ストコーストに根づいたわけです。 オーストリア勢力のうえにロッ クフェラーが乗っている。そう見 ると、フリードリッヒ・ハイエク、 レオ・シュトラウスといった学者 が、シカゴ大学を拠点に活躍した 背景が理解できる。そのシュトラ ウスの弟子のフリードマンあたり が、マネタリズムを煽ったわけで す。紙幣の発行額を操縦すれば経 済は上手くいく、などというマネ タリズムはインチキですよ。カネ 貸し主義をごまかしている。
ハイエク、フリードマンはノー ベル経済学賞の受賞者ですが、も ともとノーベル賞には経済学賞は なかったんです。それがスウェー デンの銀行協会が資金を提供して、 途中からできた賞です。経済楽賞 を取った経済学者が、人類の幸福 に貢献したとは言えません。いず れにしても、シカゴ大学は反動の 巣窟であり、ネオコンの若大将と 呼ばれたウォルフォビッツはコー ネル大学でネオコンのブルム教授 と出会い、ブルムがシカゴ大学に 移ったので転校して、ネオコンの 三羽鳥に育ちラムズフェルト国防 長官やチェニi副大統領と、イラ ク侵略を推進した。その後ウォル フォビッツは世界銀行の総裁にな り、ネオコンのバックボーンになっ たことは間違いありません。
猪野 ネオコンの宗教的背景は、 キリスト教原理主義でしょう。
藤原 そうです。ネオコンの大半 がユダヤ系の人たちです。ユダヤ 人にも国際派と国枠派があるが、 国枠派はシオニストと呼ばれてい ます。
この連中はユダヤ人はエリート であり、最後のハルマゲドンが起 きたときに、本当にバイブルを信 じている自分たちだけが救われる、 と考えている。要するに、右翼ファ ンダメンタリストです。
猪野 当然、イスラエルを支持し ている。アメリカではイスラエル・ ロビーが強いですよね。
藤原 アメリカではユダヤのこと を論じるのは、一種のタブーになっ ています。アメリカだけではなく、 日本でもそうでしょう。「マルコ ポーロ」事件を想起しても、ユダ ヤ人がメディアをコントロールし ているわけです。ただ、世界には 「ユダヤ陰謀論」というものがあ ります。悪いことは何でもユダヤ のせいにする傾向があり、下手に ユダヤを批判すると、陰謀論者と 間違えられる可能性があるから、 気をつけなければなりません。
「チェンジ」を掲げて登場した オバマが、チェンジするかと思わ れたのは最初の一日だけで、二日 目からはおとなしくなったのは、 国務長官から大統領補佐官まで、 シオニスト系の人たちに囲まれて しまったためです。ただ、今回の 『さらば暴政」では、ユダヤ人問 題には余り触れずに、ネオコンの 盛衰を総括しながら、日本のジャー ナリズムの腰抜けぶりを指摘して おきました。それにしても、最近 の日本の新聞の経営は厳しいよう ですね。(次号に続く)
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